「某大手チェーンには外国人労働者を数百人単位で入れているところもあります」

今回の措置は、外国人の人材紹介を行なう企業にも影響を及ぼしている。

外国人人材サービスを展開する株式会社LivCoの佐々翔太郎代表取締役は、企業への案内の内容を急遽切り替えたという。

「今回停止になったのは『新規で特定技能・外食のビザを発行すること』であって、すでに特定技能・外食で働いている人が別の外食企業に移ることはできます。

ですから、『新規受け入れはできませんが、すでに外食の特定技能を取得している人の転職は紹介できます』という案内に切り替えています」

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
写真はイメージです(写真/PhotoAC)

一方で、すでに内定が出ていたものの、まだ特定技能・外食を取得していなかった国内在住者やこれから来日する人は内定を取り消し、他業界の求人を紹介しているという。

「外国人の多くは『まず日本に行きたい。その中で外食ならいいかな』という順番で考えますので、『日本に行けるなら働ける業界が変わっても構わない』という人は多いです。

ただ、中には外食の勉強をずっとしてきたという人もいます。特定技能は業界ごとに試験があり、それに合格しないとその業界では働けません。

ですから『外食の勉強にかけた時間を返してほしい』という思いはあるでしょう」(佐々氏)

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
写真はイメージです(写真/PhotoAC)

佐々代表は、外食業が外国人労働者にとって人気である理由をこう説明する。

「外国人にとって日本での自動車免許の取得はハードルが高く、持っていない人が多いため、生活や交通の利便性の高い都市部に集まりたくなる。

その点、外食は都市部での求人が多いので、都市部に入れる可能性が高くなります。

また、外食はどの国にもある産業で馴染みがありますし、母国に帰ってからも経験が活かせます。加えて待遇面も魅力的です」

今回の措置を受け、「月商は30%ダウンする勢いだ」と話す佐々代表は、その影響が中長期的に業界全体へ広がる可能性を指摘する。

「もともと他業界にも紹介はしていたので、売り上げ自体は立つ見込みです。

とはいえ、中長期的に見ると、今回『外食には上限がある』ということがはっきりしてしまった影響は大きいです。

もともと人手不足ですし、政府が建前として上限を設けていても、実際には止めないだろうという見方もありました。

しかし、今回の件でマーケットの大きさが一気に確定してしまったわけですから、人材紹介業者の中には撤退する会社も出てくるのではないでしょうか。

さらに、飲食店の現場は(人員確保が)追いついていません。

某大手チェーンには外国人労働者を数百人単位で入れているところもあります。そういうところは今回の件は大きな痛手だと聞きます」(佐々氏)