パンダの毛も被害に…カラスが好む“意外な素材”
カラス研究歴18年でカラス対策専門企業「株式会社CrowLab代表」の塚原直樹氏に今回の件について話を聞くと「動画のカラスはおそらくペアのカラスですね。一緒に巣材を探していて、たまたま都合が良いものを見つけたので、一緒に運んでいるところかと思います」と言う。
カラスは一般的に賢いとも言われている。ラプンツェルやマキシマスの毛をむしることは周辺のカラスにとって共通認識なのだろうか。
「カラスの繁殖は一夫一妻と言われています。記憶力が非常に高いので、適した巣材があった場所を覚えていると思います。
コミュニケーションについてですが、ヒトが行なう会話ほどの複雑な内容を鳴き声だけで意思疎通していることは考えにくいです。しかし鳴き声で呼び寄せて、状況を目視させた上で意図を伝えるということはあると思います」
また、ラプンツェルの髪もマキシマスの毛も同じ4月という時期にむしられているのはなぜなのか。
「地域や個体にもよりますが、カラスの巣作りは2月から4月くらいに行なわれるので、巣作りのための素材を探す時期と重なります。
おそらくラプンツェルの髪やマキシマスの毛は巣の内側の卵を産み落とす場所に使うのでしょう。内側は綿や動物の毛など柔らかいもので作られますから。
これまで家畜やペット、動物園の動物の毛などが引き抜かれるところが目撃されています。かつて、上野動物園のパンダの毛が引き抜かれたのが話題になったこともありましたよ」
なんとパンダの毛が引き抜かれてしまったとは、可哀想だ。また、巣の外側に使われやすい意外なアイテムがあるという。
「外側は巣をしっかり形作るため木の枝などが用いられますが、その他でよく目撃されるのが、針金のハンガーです。
引っかかりやすかったり、形を曲げたりするなど加工しやすいという点で好まれるようです。ただ、曲げられないプラスチックのハンガーなどが使われていることもあります。ベランダの物干しにかかっていて、入手しやすいことがあるかもしれません」
基本的にラプンツェルの髪のように、人間の髪がむしられることはないのだろうか。
「カラスは自分よりも身体の大きなヒトを恐れています。そのため、ヒトに近づいて髪の毛を引き抜くというような行動をすることは考えにくいです」
オリエンタルランドによれば、ラプンツェルは今日も塔の中で過ごしているのだという。再び美しい歌声を聴ける日が来るのが待ち遠しい。
取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班













