肉をあまり食べず、野菜の摂取量はかなり多いが不健康なアメリカ人
ここで、食習慣についての知見を紹介します。野菜中心の食習慣がどのように健康に良いかを示す「野菜中心の食習慣の指標」です。
この中身を見てみると、例えば野菜、果物、全粒穀物といった食材は「野菜中心の食事パターンで多く摂取される食材でかつ健康に良いもの」のカテゴリーにあります。ナッツ、豆も同様のカテゴリーです。これらは摂取量が多いと点数が増えます。
一方、動物性脂肪、乳製品、肉といったものは、「野菜中心の食事パターンであまり摂取されない食材でかつ健康に良くないもの」とカテゴライズされています。これらは摂取量が低いと点数が増えます。全体として点数が高い方が、「野菜中心の食習慣」として健康に良い、という解釈です。
重要なのは、「野菜中心の食事パターンで多く摂取される食材だが健康に良くないもの」です。代表例はジュース、精製穀物、じゃがいも、お菓子などです。これらは、一般常識的にも、健康に良くないものとして矛盾しないかと思います。当然、これらは摂取量が少ないと点数が増えます。
例えばアメリカのデータを実際に見ても、野菜中心の生活をしていながらフライドポテトやマフィンを毎日食べている、という人は非常に多いです。彼らは実際に肉をあまり食べず、野菜の摂取量はかなり多いです。しかしその食生活は「野菜を食べているから健康」なのかと言われると、そうではないですよね。これは実際多くの研究で示されています。
実はこの点は「ビーガンダイエット(動物由来の肉、魚介類、卵、乳製品を完全に避ける食事法。環境保護などの観点から一部で流行っている)」が健康に良いかどうか、という議論にも関わってきます。ビーガンダイエットは一大産業であり、それをプロモートする団体が数多くあります。実際に研究対象ともなっており、それなりに知見が得られてきています。
これら科学的知見のポイントは、やはり「野菜を食べることは良いが、他の食材として何を摂取しているか」という点です。
栄養素的には、肉や乳製品などを制限するためにカルシウム、鉄、ビタミンB群などが摂取不足になりやすいです。食事パターンとしても頑張って肉を避けても、マフィンやジュースからカロリーを摂っていては、その部分は健康に悪いです。
一方で、アボカドや果物、大豆製品をうまく使い、健康的なビーガン食を達成している方もたくさんいます。結局「食習慣全体としての質」が重要であり、それを例えば前述の「野菜中心の食習慣の指標」で評価できる、という話につながります。単独の食材に関する知見というのは限られています。
「野菜中心の食生活」というのは、食習慣として良いテーマの1つです。しかし、それは「野菜を食べていればよい」という単純なものでなく、その食習慣の特徴を理解し、野菜以外の要素も考えることが重要です。
#2に続く
文/濱谷陸太 写真/Shutterstock











