芸能界の競争の中でプレッシャーに耐えられず「爆食ループ」に

──2014年、原宿でスカウトされてデビュー。当時過食に悩んでいたそうですが、きっかけは何だったのでしょうか。

デビュー前はソフトバンクの正社員として4年働いていましたが、その頃はただの食いしん坊程度でした。変わったのはグラビアを始めてから。周りには可愛い子や売れている子がたくさんいて、常に比べられる世界なんですよね。自然と自分と他人を比べてしまって、「売れないのは私が可愛くないからかな」と落ち込み、ネットで自分のことを「ブス」と書かれたコメントも真に受けてしまって…。

当時の私のストレス解消方法は食べることだけだったんです。仕事を頑張ったご褒美に、ポテチやハンバーガーなどのジャンクフードを爆食いするのが当たり前になっていきました。

グラビアアイドルの高橋凛さん (撮影/石田壮一)
グラビアアイドルの高橋凛さん (撮影/石田壮一)

──オーディションやDVDの売上…競争が激しい世界ですものね。見られる職業柄、爆食を続けると影響が出そうですが。

ジャンキーなものを食べれば当然太ります。そうなると、撮影やイベントで「ちょっと太った?」と指摘されます。職業柄、仕方がないことですが、その一言が怖くて…。

「太ったからブスになった」「痩せないと売れない」と思い込み、どんどん追い詰められていきました。

──負のスパイラルですね。

それでも、食べたい気持ちは抑えられなかったんです。そんなときに、「食べた分吐いてる子がいるらしい」という噂をちらほら耳にして、自分も真似をするようになりました。

撮影前日に食べても、「吐けばチャラになる」と思い込むようになって。実際は全然痩せないのに、お腹がスッとした気がすることで一瞬安心してしまうんです。

でも、肌は荒れるし、目は充血するし、むくみもひどい。それでも、当時はボロボロになっている自覚がなくて、過食嘔吐を繰り返していました。

──過食嘔吐だけでは痩せないとなると、他のダイエットにも挑戦しましたか?

結果的には自分に合っていなかった方法にも手を出すようになりました。たとえば「クレンズダイエット」。固形物を一切取らず、ジュースだけで過ごす「断食」のようなものです。

撮影の3日前くらいから始めて、極限まで食べることを我慢します。ただ、その反動で撮影が終わると気持ち悪くなるほど一気に食べ物を詰め込んでしまう。そんなことを繰り返すうちにリバウンドしやすい体になっていて、気づけば体重は最大で65キロになっていました。

2019年の頃の高橋さん。確かに印象がかなり異なる 写真/本人提供
2019年の頃の高橋さん。確かに印象がかなり異なる 写真/本人提供

──高橋さんには合わない方法だったのですね…。体型だけでなく、心にも影響がありましたか?

ネガティブな思考にどんどん陥って、周りの言葉にもセンシティブになっていました。何気ない挨拶のつもりで「太ったんじゃない?」と声をかけられるだけで傷ついて、「どうしよう…食べたら吐かないと」とさらに不安に駆られる。そんな悪循環から抜け出せなくなっていたんです。

──過食嘔吐からは、どうやって抜け出せたんですか?

コロナ禍で家にいる時間が増えたときに、食べることしか楽しみがないのはマズいなと思ったんです。太るのは嫌だし、かといって吐くのを繰り返すのも体力的に限界で。だったら、少しでも食べる罪悪感を減らせるようにと筋トレを始めました。

やっていくうちに体が変わっていき、どんどん楽しくなって。1日50回のスクワットからスタートして、YouTubeのトレーニング動画を見ながら1時間ほど運動することが日課に。

続けていくうちに、「吐かなくても、運動すれば大丈夫」と思えるようになり、過食嘔吐の回数も自然と減っていきました。気づけば2年で17キロ減。顔のむくみもすっきりして、久しぶりに会ったスタッフさんに「すごく痩せたね」と驚かれましたね。

──それでムリなダイエットからは完全に卒業できたんですか?

それでも太る怖さはしばらく残っていました。つい一日一食にしたり、撮影前に塩抜きをしたりとムリをしていた時期もあって。でもそうすると、顔がこけて不健康に見えちゃうんですよね。

そんな中、2023年ごろに今のトレーナーさんと出会って、「1日3食きちんと食べていい」「炭水化物も必要」と正しい食事法を教わりました。最初は3食食べるのが怖かったけれど、実際に試してみると、しっかり食べても健康的に痩せられることを実感しました。

今では週5回、1時間半から2時間ほどトレーニングしていますが、健康的に体が変わっていくのが本当にうれしいです。