弁護側は「無罪」を主張
2022年12月25日の朝。「飯能のビバリーヒルズ」とも称された閑静な住宅街に、必死の命乞いをする女性の叫び声が響き渡った。犯人はわずか60メートルの距離に住んでいた男。突然のクリスマスの惨劇から3年余り後にようやく開かれた初公判の直前、
被害者一家と面識のあった近隣住民はこう肩を落とした。
「温厚そうな方たちでトラブルを抱えているような感じは一切ありませんでした。なんで殺されなければならなかったんでしょうか……」
事件は2022年12月25日朝、飯能市美杉台の住宅でビショップ・ウィリアム・ロス・ジュニアさん(当時69歳、米国籍)と妻の森田泉さん(同68歳)、長女の森田ソフィアナ恵さん(同32歳)が殺害されているのが見つかり、埼玉県警が近くに住む斎藤淳容疑者(同40)を殺人などの疑いで逮捕。さいたま地検が殺人や非現住建造物等放火の罪などで起訴していた。
初公判に臨んだ斎藤被告は、水色のダウンジャケットに黒色のズボン姿。入廷してくる傍聴人たちに目を配ることなく、やや下を向き座っていた。検察官の起訴状朗読の後、裁判長に「あなたの言い分を述べてください」と促された斎藤被告は、か細い声でこう述べた。
「えー……知らないことです」
弁護側は犯行時に、斎藤被告が統合失調症を罹患していたことなどから、「精神疾患の圧倒的な影響があり、責任能力はなかった」と強調した。













