両リーグNo.1のリリーフが離脱
3月開幕のWBCに井端弘和監督率いる侍ジャパンは、メジャー組と国内組がかみ合った“歴代最強”級の顔ぶれで連覇を狙う––––はずだった。
だが、ブルペンを支えるはずの投手に相次いでアクシデントが発生。平良海馬(西武)が左ふくらはぎの肉離れで出場辞退し、藤平尚真(楽天)が追加選出。
さらに石井大智(阪神)も左アキレス腱損傷で辞退し、隅田知一郎(西武)が追加選出となった。この急遽のメンバー変更に在京球団のスコアラーは「連覇に黄色信号が灯った」という。
「もちろん、藤平と隅田も実力十分な選手です。藤平は直球の力とフォーク系で空振りを奪えるタイプで、短期決戦の一発勝負で頼れる選手。左腕の隅田は試合を作れる先発型ですが、国際大会では左のワンポイントからロングリリーフまで担える希少な選手。
とはいえ、平良はパ・リーグ下位に沈んだ西武で一人シーズンを通して安定した活躍を見せ、最多セーブのタイトルを獲得。石井は世界記録となる50試合連続無失点で防御率は0.17とMVP級の活躍で阪神のセ・リーグ優勝に貢献しました。
いわば、両リーグNo.1のリリーフがいなくなったわけですから、さすがに井端監督も頭が痛いでしょう」
WBCはシーズン前の3月開催で、投手起用には球数制限が付きまとう。2026年大会でも1次ラウンドは65球、準々決勝で80球、準決勝以降で95球といった上限が設定されている。つまり先発が“長く投げる”前提が崩れやすく、結果として救援陣が担うイニングも、登板回数も増える可能性が高い。
さらに短期決戦は接戦が連続し、勝負どころの一球が試合を決める。2017年WBC準決勝のアメリカ戦は1―2で惜敗した。先発・菅野智之(オリオールズ→ロッキーズ)が粘っても、終盤の攻防で一歩届かなかった。
逆に2023年WBC決勝のアメリカ戦は3-2で辛勝。1点差で迎えた最終回に大谷翔平がマウンドに上がり、当時エンゼルスのチームメイトだったマイク・トラウトを三振に仕留めて優勝を決めた。
勝っても負けても大舞台ほど「最後の1点」を守り切る、あるいは取り切る1点の重みが強くのしかかる。その意味で、平良と石井の離脱が痛いのは確実に計算できる“終盤の替えがきかない投手”が減ることだ。













