釣り具の原材料や部品はほとんどが海外製
特に小学生でも始めやすいバス釣りについては、近年「釣り場の規制強化」が進んでおり、釣り禁止区域の増加によって、売り場の縮小も進んでいる。
「以前は広かったバス釣りコーナーが、今では3割程度になったという話も聞きます。売り場が縮小しているということは、つまり買う人が減っているということ。市場全体の縮小につながっているのだと思います」
さらに、海釣りスポットも減少傾向にある。
「かつては漁協などが黙認していた場所も、マナーの悪化などを理由に次々と釣りが禁止になっていて、新たに釣り場が増えることはまずありません。一度閉鎖された釣り場が再開されるケースも極めて稀です」
釣り場が減ることで、人が特定の場所に集中しやすくなり、「人が減った感じがしない」現象も起きる。だが、全体としては釣り人口の減少が確実に進んでいるというのが実情だ。
「人が減れば、当然モノも売れなくなります。加えて、釣り具の原材料や部品は海外製が多く、輸送コストの上昇も避けられません。
とある国内大手釣り針メーカーも、中国やタイに工場を持っていて、輸入扱いになります。国内で完結し生産までしている大手メーカーは、正直なところ、ほとんど見かけません」
素材費や輸送コストの上昇、そして釣り人口の減少といった構造的な要因により、価格の高騰は避けられない状況にある。
「ステルス値上げ」も含め、今後もユーザーの負担は増加傾向にあるだろう。
趣味としての釣りは、かつてほど“手軽な娯楽”ではなくなりつつある。
取材・文/千駄木雄大













