かつてのような大盤振る舞いは鳴りを潜め…

買取価格もかつてのような大盤振る舞いは鳴りを潜め、渋めに設定されている。かつては1kWhあたり42円で10年間買い取られていたが、再エネ賦課金が問題になるにつれ、どんどんと規模は縮小してきた。

現在の買取価格は1kWhあたり24円だが、これは4年限定。5年目以降は8.3円と約3分の1になり、収益性はガクッと落ちる。かつてのように「電気を作れば儲かる」という時代ではなくなっており、これから小規模な家庭用のソーラーパネルで収益を上げるというのは非現実的だ。

「太陽光で電気代ゼロ!」の落とし穴…政治判断ミスを後押しした大手メディアと暗躍する企業、ツケを払い続ける日本国民_3
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こうした現実を踏まえ、多くの事業者は現在、家庭用の太陽光パネルを設置させるメリットとして売電での収益ではなく、日中の電力消費を系統から自家消費に切り替えることで電気代を抑えるという方向にシフトしている。

東京電力エナジーパートナーは初期費用0円のサブスク形式で太陽光パネルやエコキュートを組み合わせたプランを提案しているが、ここでも「光熱費を27%削減できる」としている程度で、電気代0円というのはそれほどまでにハードルが高いことがわかる。

日本国民は高い「ツケ」を払い続ける

冒頭の企業は20年間にわたって政府の定めた固定買取価格よりも高く買取るとアピールするが、それでも買取価格は20年でならすと10円台で、太陽光パネルや蓄電池のための初期投資を考慮すると、これだけではとても採算が合わない。太陽光バブルは既に終わっており、絵に描いた餅に終わる可能性が高い。

一連の騒動が改めて突きつけたのは、制度設計を誤ったことによる歪みが長期間にわたって続く弊害だ。震災後、仮にメガソーラーではなく、住宅用の太陽光パネル設置を手厚く補助する仕組みを導入していれば、現在のように多くの国民が再エネ賦課金の急激な上昇に苦しむことはなかったし、戸建て住宅の「電気代ゼロ」を実現することができたかもしれない。

もっとも、一度始まった賦課金制度の廃止は現実的ではなく、これからも日本国民は高い「ツケ」を払い続けることとなる。

取材・文/築地コンフィデンシャル  写真/shutterstock