山裾にメガソーラーが林立するようになったワケ
先祖代々の土地を持っている地元の人や企業が相談に来るというパターンだけでなく、東京からやってきたブローカーがあちこちで土地を押さえ、大企業からファンド、有象無象の個人投資家が入り交じった乱戦状態で次々と太陽光発電所が建設されるように。
気がつけば、ゴルフ場跡地や耕作放棄地などの遊休地を活用するという当初の理念すらなかったこととなり、日本中で目先の利益を目的として山林が切り開かれ、山裾にメガソーラーが林立するようになった。
エネルギー自給率を高めるという観点で、再エネの導入自体は悪いことではない。しかし、日本の再エネは政治の判断ミスと暗躍する企業、原発憎しで偏った報道を繰り返すメディアが足並みを揃えたことで間違った方向に盛り上がりをみせ、バブル状態を招くこととなった。
行政の意向や法令すら無視して開発を強行する釧路湿原や鴨川に見られるように、10年以上経った今もなお日本各地で乱開発は止まらず、禍根を残している。
冒頭の、住宅に太陽光パネルを使って電気代を無料にするという取り組みは、「太陽光は儲かる」というイメージをふまえたものだろう。確かに、自らが消費する電気を自らの屋根を使って発電し、余剰分を販売することで利益を得るというスキームは分かりやすい。
「太陽光は儲かる」そう簡単なものでもない
しかし、実際はそう簡単なものではない。平地に太陽光パネルを大量に並べることができるメガソーラーに比べ、家庭用の太陽光は足場を組んで屋根に登って作業する必要があるため、設置にかかる費用が高い。
太陽光パネルそのものは中国での過剰生産により安価になっているが、工事部分はむしろ昨今の人手不足も相まってコスト高となっており、初期費用を抑えることが構造的に難しいのだ。
家庭用の太陽光事業の難しさは、楽天が2012年にサービスを開始した「楽天ソーラー」の挫折が物語る。
同社の三木谷社長が実家の太陽光パネルが300万円かかったと知ったことに着想を得て事業を開始。ネット通販で培ったノウハウを活用し、中間事業者を通さないことで「初期投資を100万円以下にする」という目標を掲げてスタートした。
しかし、いくら太陽光パネルを安く調達したところで、設置工事の工程は効率化できず、鳴り物入りでスタートした事業はわずか3年で終了となった。
東京都では2025年から新築住宅に太陽光パネルの設置義務化が始まったが、東京都の潤沢な財政による補助金をもってしても、もらえるのは40万〜50万円程度。規模にもよるが、少なくとも数十万円の自己負担が必要だ。これに蓄電池をつけるとなれば、200万〜300万円以上の出費を覚悟する必要がある。













