“新たなイメージ”の確立
2つ目は、「頼れる先輩像」。2026年1月からスタートしたマイナビ「マイナビ転職/マイナビ転職AGENT」の新TVCMでは、頼れるエージェント像を演じている。このイメージは、「役者業で長い時間をかけて培ってきた成果」と関根氏は語る。
近年の木村の俳優としての代表作といえば、2026年2月20日から新作映画『教場 Requeim』が公開される『教場』シリーズだろう。
2020年1月からスタートした同シリーズでは、冷徹で厳しい印象ながら、生徒を警察官へと導く風間公親を熱演。無理に若作りするのではなく白髪姿を見せるなど、年齢に応じた表現が評判を集めている。このイメージが、CMでも説得力を持ち始めた。
そして2026年に入り、3つ目の武器が加わろうとしている。それは「親近感」だ。2026年1月から始まった三菱UFJの新CMシリーズでは、石原さとみ・水上恒司とともに兄弟役を演じる。
同社のCMには2025年5月から出演するが、これまでのCMではスタイリッシュなセットのなかで“かっこいい先輩”を体現する役割をになっていた。だが、新シリーズでは「『男はつらいよ』の寅さんを彷彿とさせる、ちょっと不器用だけれども温かい50代のお兄ちゃんという役柄に変更しました」(関根氏)。
この“親近感”は、CM市場において重要な要素だ。
CM総研では、一般視聴者を対象とするCM好感度調査で収集した記述をもとにテキストマイニングを作成している。関根氏によると、印象に残ったCMを自由解答する調査において最も記述されるワードは「面白い」という形容詞で、現在CMで人気を集める50代男性俳優の堺雅人、大泉洋、竹野内豊らは、いずれも「面白い」というキーワードが目立つ。
一方、木村は愛称である「キムタク」、そして「格好良い」が中心。
「木村さんのイメージは、変わらず“かっこいい”が中心にあり、それを保ちながら“プレミアム・上質”といった表現が備わった。さらに、2026年に入って“親近感”というイメージも感じられ、年齢とともに新たな要素が継ぎ足されていることが伺えます。ちなみに、銀行は“信頼”を重視する業界です。その一面を備える点も、木村さんの強さと感じます」(関根氏)。
年齢とともに魅力を更新し続ける木村拓哉は、CM界においても新たなステージへと進みつつある。
取材・文/羽田健治














