「ハロプロのサブスク解禁で世界が変わる」
「選挙の日って ウチじゃなぜか投票行って 外食するんだ♪」
これは25年前に発表されたモーニング娘。の名曲『ザ☆ピース!』の歌詞の一節だ。当時、景気の底を尽くような重苦しい世相の中で、モーニング娘。が一筋の光を照らしたことは間違いないだろう。
「食料品の消費税」ゼロが争点になるなど、外食も憚られるような景気の中で行なわれた衆院選の投開票日の翌日に「ハロプロ全曲サブスク解禁」という話題がXのタイムラインをにぎわせた。
「ハロプロがサブスクを解禁してくれたから今年はいい年」
「ハロプロのサブスク解禁で世界が変わるよ」
「日本の未来は Wow Wow Wow Wow 超超超いい感じ 超超超超いい感じ」
「待ってました! なので、私のサブスクデビューとなります!! 1番初めに聴く曲を決めかねてる」
そんな歓喜が波のように広がった。長年CDで聞いてきたファンにとっても、これは事件だ。そもそもハロプロは、ただの“アイドルの集合体”ではない。時代ごとの「ポップスの勝ち筋」を、最前線で更新してきた巨大なカルチャーだった。
かつて、モーニング娘。が提示した“入れ替わり制”は、個の物語とグループの物語を同時に走らせる装置であり、モー娘。以降の国内アイドル文化の設計図にもなった。そこから派生したユニット群が、ダンスの精度、ボーカルの説得力、楽曲のジャンル横断を年々当たり前にしていったのだ。アイドルは「成長物語」という定番に対して、“スキルで勝負”という新しい勝ち筋を上書きしてきたのもハロプロだ。
そして何より、ハロプロの偉大さは“曲”の強さに尽きる。ライブ映えする強靭なリズム、歌詞に潜む小説的な陰影、メンバーの声色を前提に組み立てられたアレンジ。そのアイドル像は、「可愛いだけ」「青春だけ」では終わらない。
今回のサブスク解禁は、そうした膨大な歴史が「検索可能な文化」になることでもある。配信で偶然出会い、そこから遡り、当時の空気まで掘り当てる。いまの音楽体験の文法に、ハロプロがようやく正面から接続される。













