「億万長者になって、幸せでしたか?」
実は久慈さんは今もロト6を買っているという。ただし、その意味合いは大きく変わった。
「“当ててやろう”って気持ちではないですね。自分の運気のバロメーターというか、“今、調子がいいのか悪いのか”を確認するための指針みたいなものです。占いに近い感覚かもしれません」
結果を見て、一喜一憂はしない。では、もし今、再び3億円が当たったら、何に使うのか。答えは意外にも、派手な消費ではなかった。
「今だったら、タイの田舎に大きな介護施設みたいなものを作りたいですね。3億円あれば、タイの田舎に施設を作って、日本人を相手に“タイに住みませんか”と呼びかけたり」
その構想には、自身の老後も含まれている。
「自分もあと10年くらいしたら介護のお世話になるかもしれない。そうなった時に自分の面倒を見てもらいつつ、他の人にもその恩恵を共有してもらえたらいいかなって。“社会貢献”だなんて、かっこよく言うつもりはないです。自分も得をして、他の人とも分かち合えることがしたいんです」
最後に、こんな問いを投げかけた。
「一時だけでも億万長者になって、幸せでしたか?」
「騙されてお金を失って、それでも幸せでしたか?」
久慈さんは、即答だった。
「もちろんです。誰も経験できないことを、たくさん経験してきました。最高に楽しくて、幸せな人生だったし、今もそう思っています。最近はちょっと、仙人になりかけてるかもしれませんね(笑)。あまり欲もなくなりました」
ロト6は、もう夢を見るためのものではない。静かに、自分の人生を確かめるための、ひとつの習慣になっている。
文/集英社オンライン編集部













