上がり止まる派のカギは「供給」「金利」「家計の限界」
一方、上昇が止まる(あるいは調整する)可能性も十分ある。そのシナリオには「供給」「金利」「家計の限界」という3つのポイントが挙がる。
・供給の重心が動く
不動産経済研究所は、2026年は都心の大規模物件供給が一服し、郊外の新築が増えることで「価格上昇を抑える動きになる」とみる。 供給エリアが変われば、平均価格は“統計的に”下がりやすい。平均が下がる=都心が値下がり、とは限らないが、過熱感を冷ます効果はある。
・金利の上向きリスク
住宅ローン金利が上がれば、購入可能額は直撃される。特に「借入額で勝負する」実需層は金利上昇に弱い。買い控えが広がれば、成約が鈍り、売り出し価格は維持できても“値下げ交渉が通りやすい”市場に変わる。
・家計の天井=需要の先細り
平均1億円は、多くの世帯にとって現実的な購買ラインを超える。賃金上昇が追いつかなければ購入者は限られ、売れ行きが鈍る。実際、首都圏の新築市場では契約率が70%を下回る局面も続いており、価格と売れ行きのせめぎ合いが表面化しやすい。
このシナリオで起きやすいのは、値崩れというより「高値での足踏み」だ。売り急ぎの少ない都心は下がりにくい一方、築年数が古い物件、駅から距離のある物件、管理状態が弱い物件などは、価格調整が先に起きやすい。
なお、東京カンテイの「平均希望売り出し価格」は、実際の成約価格とズレが出ることがある。売り出しが強気でも、成約までの期間が延びたり、価格改定(値下げ)が増えたりすれば、市場の温度は下がっているサインだ。
逆に、成約件数が落ちないまま価格だけが上がるなら、需給逼迫は続いているとみてよい。













