マンション価格高騰を支える「3つの下支え」
「30年間不動産業界にいますが、東京のマンションの高騰は今までに見たことのない次元に突入しました」
これは都内で不動産業を営む50代男性の声だ。かつて「一部の富裕層の世界」だった億ションが、いまや“相場の中心”に入りつつある。
では、この高騰はどこから来て、どこへ向かうのか。今後の価格は「まだ上がる」のか、それとも「上がり止まる」のか。
まず、「なぜここまで高騰したのか」については、新築高→中古高の連鎖が挙げられる。
今回のポイントは、新築と中古が“同時に”跳ね上がっていることだ。新築は、建設コスト上昇の影響を最も受けやすい。資材高に加え、残業規制や人手不足による人件費増が効き、結果として分譲価格へ転嫁されやすい。 しかも都心部では用地取得が難しく、供給戸数そのものが限られる。希少性が価格を押し上げる構図だ。
そして新築の“高値基準”ができると、中古も引き上げられる。買い手は「新築は高すぎるから中古へ」と流れる一方、売り手側は「新築がこの値段なら、うちもこのくらいで出せる」と強気になる。
実際、東京カンテイの月次データでも、2025年12月の東京23区中古マンション(70㎡換算)は 1億1960万円 と上昇が続いている。 需給の綱引きは、まだ“高値圏で均衡”しているといえる。
では、2026年以降も東京23区のマンション高騰は続くのか。
これからも価格は上がる派のシナリオには、価格を支える「3つの下支え」があるという。
・建設コストの高止まり
新築価格が高いままなら、中古相場の“天井”も押し上げられやすい。コストが目に見えて下がらない限り、デベロッパーは価格を落としにくい。
・都心プレミアムの固定化
リモートワークが定着しても、「駅近」「都心アクセス」「資産性」の評価は落ちにくい。特に再開発エリアやインフラ更新が進むエリアは、限られた立地にマネーが集まりやすい。
・買い手の多層化
実需(共働き世帯・住み替え)に加え、相続対策やインフレ耐性を狙う資産保全需要がある。金利が急騰しない限り、「現金+ローン」の組み合わせで買える層は一定数残る、という見方だ。
このシナリオでは、価格は“急騰”というより“ジワ上げ”になりやすい。都心部は横ばいから微増、外周部は選別色が強まるというのが現実的だ。













