かつての民主党政権前夜を彷彿とさせる

中道改革連合の共同代表を務める斉藤氏(左)、野田氏(右)(野田氏Xより)
中道改革連合の共同代表を務める斉藤氏(左)、野田氏(右)(野田氏Xより)

では、2月8日の選挙はどうなるのか。今回は、過去の「低支持率でも勝てた」選挙とは、決定的に異なる条件がある。それは、強力な対抗馬の存在だ。

かつて、新党「中道」こと「中道改革連合」が誕生する前は、弱い野党が濫立していた。自民党に対抗しうる大きな塊が存在しなかった。

もし、その状況のまま今回の選挙に突入していれば、高い支持率を持つ高市政権は、選挙で圧倒的な強さを見せつけ、300議席を優に超える議席を獲得できたはずである。過去のデータが示す「高支持率=圧勝」の法則が、そのまま適用されただろう。

だが、現実は違う。

ニュースでも報じられている通り、解散時の勢力図において、中道改革連合はすでに173議席を有している。これは、かつての民主党政権前夜を彷彿とさせる、あるいはそれ以上の巨大な野党勢力だ。もはや「多党乱立」ではない。自民党と対等に渡り合える、巨大な「塊」が存在しているのだ。

ということは、「中道」がどこまで伸ばすかによって、高市政権の小選挙区の数字が決まることになる。

スタートラインの時点で、両者は拮抗

自民党196議席に対し、中道173議席。スタートラインの時点で、両者は拮抗(きっこう)している。小選挙区の一つ一つで、事実上の一騎打ちが行われることになるだろう。

ここで重要になるのは、先ほど説明したオセロの理屈だ。相手が強大であればあるほど、僅差の勝負が増える。支持率が高くても、相手もまた一定の支持を集めていれば、圧勝は難しくなる。

この先、他の野党やメディアが、自民党に矛先を向けるか、中道に向けるかでも選挙結果を大きく変える可能性がある。

こうなると、自民党が取るべき、あるいは取るであろう戦術は自ずと決まってくる。自民党は徹底的に「中道」を攻撃し、評判を落とし続けることが絶対的な選挙戦術となってくる。

政策論争も重要だが、それ以上に「中道改革連合に政権を任せることは危険だ」「左翼だ」「嘘つきだ」「彼らは寄り合い所帯だ」といったネガティブキャンペーンを展開し、有権者の中に不安の種を植え付けていくのではないか。

相手の票を削り、接戦区で頭一つ抜け出すためには、相手のイメージダウンを狙うのが、選挙の冷徹なセオリーだ。高市首相の「力強く進めたい」という言葉の裏には、こうした激しい権力闘争への覚悟が秘められているに違いない。

一方で、中道改革連合もまた、2024年の選挙で自民党を過半数割れに追い込んだ成功体験を持っている。彼らもまた、死に物狂いで攻勢をかけてくるだろう。

2月8日。投開票日。

「高市長期政権の幕開け」か、それとも……。

答えを出すのは、予想屋でも、政治評論家でもない。私たち自身である。

文/小倉健一