「路地裏物語の巻」(ジャンプ・コミックス第39巻収録)
今回は、駄菓子屋の売り上げアップのため、両さんがあの手この手の新機軸を打ち出すお話をお届けする。
昔ながらの駄菓子屋は、いまや昭和の思い出の風景として懐かしむものになってしまった。子どもの減少、コンビニの普及、経営者の高齢化・死去、原材料費の高騰による値上がりなど、その理由はいくらでも挙げられるが、時代の移り変わりゆえ、なんともしがたいのが現状だ。
本作が描かれたのは1984年。すでに駄菓子屋の数が減っていった時代ではあるが、両さんは起死回生の一手を打つ(?)。なんと独自のカード決済制度を導入し、子どもたちに手持ちの小遣い以上の買い物をさせようと図るのだ!
12月29日からお届けしている「歳末サバイバルの巻」(ジャンプ・コミックス第13巻収録)などを読めばわかる通り、両さんは返済能力を超えた買い物をして、さんざん苦しんでいる。子どもたちが欲求のままに買い物をしまくった結果は、想像できそうなものだが……?
だがこの点以外には、やはり両さんの商才に感心せざるをえないさまざまな施策が読めるので、存分にお楽しみいただきたい。
ちなみに「インターネット駄菓子屋の巻」(ジャンプ・コミックス第98巻収録)では、インターネットやウィンドウズPCが登場して間もない1996年に、駄菓子屋のネカフェ化と駄菓子のネット販売を行っている。
今では信じられないだろうが、自身の端末を持たない人も多く、ネット接続には電話の通話回線を使用……という時代。ネットに接続している時間に応じて回線使用料がかかっていた。ひと月の通信料が数万円(下手すると10万円以上)なんてこともざらにあったのだ。
当時は携帯電話のネット接続サービスが開始されておらず、スマホももちろん存在していない。したがって数10万円するPCと容赦なく課金される回線使用料の負担がマストだったわけで、そんな状況下での両さんの先見の明は驚きだ。
それでは次のページから、両さん流駄菓子屋経営のお手並みを、とくとご覧ください!!



















