男性人気は今も健在
――これまで経験した職業ではさまざまなトラブルに見舞われがちでしたが、ジムでは特に困ったことなどはなく、お仕事は楽しいですか。
唯一困ったことと言ったら、昔からゲイの男性ファンが多いから、そういう方がただ僕と話したいからってだけの理由で、ジムに通う気もないのにしつこく電話をかけてくることかな。
「ホームページを見たんだけど、ジムの住所を教えてください」って言われて、「いや、ホームページに住所と電話番号を載せてるんだけど、それならあなたはどうやってこの番号にかけてきたのよ?」って問いただしたら、「あ!ホームページなんてあるんですね?」なんてすっとぼけてきたりね。
――今でもそんなガチ恋ファンの男性がいるんですね!
一部、変なファンもいるから困ったものです(笑)。五万円払うから、一緒にホテルに行って写真を撮らせてください、とかはまだマシな方で、「僕のモノ、どうですか?感想を聞かせてほしいです」って、公式ホームページに自分の男性器の写真を送りつけてくる奴もいたりね。
――いわゆる、「チン凸」ですね。女性アイドルにはよくあると聞きますが、まさか坂本さんも被害に遭われていたとは…。
男性に憧れてもらえるのは嬉しいけど、節度を守ってほしいよね。よく、周りからは「こんなに鍛えてどうするの?」と言われることもあるけど、身体を鍛えていると人助けができるんだよね。例えば、道で車がドブにはまって困ってる人がいたら、タイヤを持ち上げて助けたりもしたしね。
今も、天井にシルベスタ・スタローンの写真を貼って「こんな身体になれば、もっとたくさんの人を助けられる!」と思いながら身体を鍛えています。
――人助けのために、今もお身体を鍛えていらっしゃるとは素晴らしいですね。そんな坂本さんに、今後の夢をお聞かせいただきたいです。
高齢社会だから、これからは高齢者の方に向けたトレーニングもやっていきたいかな。フィットネスに通ってるおばあちゃんに多いんだけど、ちょっとトレーニングしたら仲間とおしゃべりして、疲れたー、なんて言ってお風呂に入って満足して帰っちゃう。
それだとなんの意味もないから、それならパーソナルで短期集中で鍛えた方がいい。パーソナルの値段は高いけど、一人でトレーニングを続けることは大変だから、その分心も身体も変わるからね。身体を鍛えたい方はぜひ、ウチのジムに来てほしいですね。
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「写真を撮るなら、このベンチプレスを持ち上げましょうか?」
取材が終わると、坂本さんは鍛え抜かれたその肉体を惜しげもなく披露し、カメラの前でトレーニングを始めた坂本さん。15回もの転職を経験し、ようやくたどり着いた“天職”。カメラ越しに映る坂本さんの表情は、これまでの波乱を感じさせないほど晴れやかだった。
取材・文/佐藤ちひろ













