失いゆくものへの郷愁を感じてほしい
――それと本書の巻末にある四季折々の神宮球場の写真集には思わず見とれてしまいました。
取り壊しが決まってるなか、現在の球場で起こる出来事や取り巻く風景はいつか見られなくなる。だからその記録として四季折々の神宮球場を残しておきたい気持ちが間違いなくありました。
個人的には雨に濡れた座席の写真がすごく好きですね。これだけでも「神宮球場だな」って一目でわかる。
天気が悪いと観戦中はすごく鬱陶しいんだけど、それも含めて神宮なので、その表情を収められてよかったです。
――改めて本書で伝えたかったことを教えてください。
滅びゆくものに対する郷愁とでもいいましょうか。なくなってから初めてその思いに気づいてからじゃ遅いじゃないですか。
だから、誕生99年の今年に本を出版して、今の段階から100周年に向けて読者とカウントダウンしたかった。
みなさんも今のうちに神宮をどんどん見て、触れて、100年という歴史と、いつかはなくなるかもしれないという郷愁を感じてほしいですね。
取材・文/武松佑季


















