今季はさらに止まらない東北楽天スワローズ化
ヤクルト初のFA人的補償選手となった小森は、宇部工高から2021年ドラフト4位で入団。右投げ右打ちの内野手で、173センチと小柄ながらパンチ力のある打撃と、昨季2軍で24盗塁でイースタン盗塁王に輝いた俊足が持ち味だ。
「昨季は9月に1軍初出場。4試合で5打数ノーヒットとプロ初安打はまだ打てていませんが、球団もファンもその将来性に期待していました」(スポーツ紙ヤクルト担当)
実際、ヤクルトファンの声として「これからが楽しみな選手だった。なぜプロテクトを外したんだ」という意見が散見される。一方で、主に二遊間を守る小森にとって、ミスタートリプルスリーの山田哲人、遊撃手としてベストナインを獲得した長岡秀樹、その他、若手内野手が横溢しているヤクルトでは出場機会がなかなか恵まれないのも事実。
「新天地で何とか花を咲かせてほしい」という親心を覗かせるファンの意見も少なくなかった。
では一方の楽天はどうか。
「楽天は今オフのドラフトで5球団が競合した明治大学のスター遊撃手、宗山塁を即戦力として獲得していて、二塁手にはリーグ1の守備率を誇る小深田大翔がいます。昨年、遊撃手のレギュラーだった村林一輝もまだ27歳と駒は揃っています。
そのため、守備指標に不安があり、俊足が売りの小森は外野にコンバートされる可能性もあります」(スポーツ紙楽天担当)
前述のとおり、小森はイースタンの盗塁王。楽天には小郷裕也(32盗塁)、小深田(29盗塁)、辰己涼介(20盗塁)とリーグ盗塁ランキング2位から4位の俊足選手がズラリ。さらに小森も獲得して、チームの機動力を強化したいのが、ともに現職に復帰した三木肇監督、石井一久GMの方針なのだろうか。
2018年に楽天のGMに就任して以来、監督も務めるなど球団首脳を担ってきた石井氏も、今季から監督に復帰した三木監督もヤクルト出身。
こうした経緯からファンの間でも注目されるのが、近年のヤクルトと楽天の人的交流の活発さで、一部では「東北楽天スワローズ」などと揶揄する声も上がっている。