洗脳の恐怖はひとつじゃない

――現在、小阪さんと同じように洗脳に苦しんでいる方がいたら、どんな言葉をかけたいですか。

洗脳の恐怖ってひとつじゃないんです。今まさに洗脳されていて、そうした恐怖感とどう向き合ったらいいのか、というものもあれば、洗脳されていたことに気づいた後、そこから抜け出す怖さもあります。

だから、“どの段階の人”なのかによって、言葉のかけ方は全然違うんです。

前者には、他でもない「あなた」の本当の幸せはなにか? という問いを一度ではなく何度も問うてください。また、否定や孤独を恐れず、洗脳されている場所ではない居場所を小さくても良いので作ってください。新しいバイト先でも、昔の友達でも、カウンセリングに通うでも、なんでも大丈夫です。新しい環境や人間関係を恐れず増やしていって下さい。

後者には、「後悔や孤独を恐れず勇気をだして。あなたは悪くない。あなたの幸せの道はあなたが決めて良い」と。たとえ1人になったとしても、それは一時的なもの。あなたの居場所は必ず他にあるということを、まずは自分に教えてあげて下さい。

――今回、こうしたご自身の経験を書籍という形で発表されたのはなぜですか?

前々から、なにかを書く仕事、言葉で表現する仕事をしたいなとずっと思っていたんです。私自身、洗脳から抜け出すにあたって、いちばん救われたのが本だったんです。

それこそ1年間くらい、本棚に入りきらないほどの自己啓発本を読んで救われたので、本に対するリスペクトがあるんです。あの時の私のように、私の本が誰かの救いになってくれたらと思ってます。

――『六本木洗脳』と同日に、17年ぶりとなる写真集も発売されました。のタイトル「裸洗(らせん)」にはどんな意味がありますか。

書籍ともリンクしているのですが、写真集のテーマは、洗脳から解かれた新しい自分を“偽りなく晒す”ことでした。その表現を探すため「洗脳」の反対語を調べたんですが、そんな言葉はなかったんです。

なので、新しい言葉を生みたかった。そこで浮かんだのが、「裸洗(らせん)」という造語でした。植え付けられた価値観や思考の膜を、一枚ずつ丁寧に剥がしていって裸の自分に還る…それこそが、洗脳から解けた本来の、何にも染められていない自分なのではないか、との気づきがあったんです。

じつに17年ぶりとなる写真集の発売も話題に
じつに17年ぶりとなる写真集の発売も話題に

――20キロ増した時代があったとは思えないほど、現在は見事に体型をキープされています。どのように維持されているのでしょうか。

小さいことでよいので成功体験を積み重ねることですね。「今日はお菓子たべなかった」「よし、今日もできたから明日もできる」といった感じに、自分との約束ごとを守っていく。まぁ、私も言うほど、うまくやれていませんけどね(笑)。

実は旦那と付き合い始めた時期に、幸せ太りで60キロ近くまで太ったことがあって。「食べてる姿も可愛い」とかて言われるとついつい…(笑)。「そんな風に洗脳しないで」ってツッコミいれてました。もちろん冗談ですけど(笑)。

「私は自分を愛せなかったから洗脳された」小阪由佳が明かした18年におよぶ“洗脳支配”との戦いと後遺症、そして再生_3