公用車に付いていた平成23年6月のカーナビまでも徴収対象に
11月17日には宮城県の3自治体でもNHK受信料未払いが報じられた。いったい何が起こっているのか石巻市役所の総務課に尋ねてみた。
「私どもの方では公用車のカーナビ43台とテレビ24台であわせて813万8935円の未払いが判明しました。一番古い機種は平成23年6月のカーナビで、その期間をさかのぼっています。
今年に入って全国の自治体でカーナビ付き公用車の未払い報道が出ていましたが、5月にNHKの方から『全国でこういった事案が発生しているので改めて契約漏れがないか確認お願いします』と申し入れと通知がきました。それを受けて調査をしたところウチの方でも対象になるカーナビなど確認がとれたということです。
カーナビであれば納車した日から、テレビであれば設置した日からある程度期間が特定できました」
契約漏れが起こってしまった理由について総務課はこう語った。
「カーナビ付き公用車は44台あって1台だけ契約をしていました。その1台があった時点で他のにも気づければよかったのですが、そこはわれわれも反省すべきところです……。支払い担当者が課によって別なので、1台だけ払っていた課があったということなのですが、結局カーナビでテレビを見ていなかったのでカーナビが対象になるという認識が薄かったということだと思います。
テレビの24台についても、アンテナに接続していないWEB用モニター3台と議会中継用のモニター2台と学校の電子黒板用のモニター15台が含まれていました。この20台は担当者に関しても対象だという意識は薄かった。残り4台はテレビ視聴用でしたが。
毎年、NHKから受信料徴収に対する調査項目にカーナビも書かれていたのですが、ちゃんと読まないとわからず、そもそも対象という意識がなかったんです」
また、埼玉県内の市役所の職員が不満を漏らす。
「カーナビの受信料徴収って民間業者からもやっているんですかね。報道で目にするのは自治体ばかりです。自治体からのほうが取りやすいのかもしれませんが、受信料も税金から支払われるんですから、テレビを見ていないカーナビからも徴収していくのはいかがなものかと思います」
さまざまな方向から受信料の徴収を強化するNHK。 今後の「受信料特別対策センター」の動向にも注目が集まる。
2024年度、1年以上受信料が未払いになっている件数は約170万件だ。督促する基準についてNHKに尋ねると「受信契約を締結しているものの、(1年以上)長期にわたって受信料をお支払いいただけていない方です。
こうした方々に、誠心誠意の対応を重ねたうえで、それでもなお、受信料をお支払いいただけない場合の最後の方法として民事手続きを実施しています。支払督促の申立ては個別の事情を総合的に勘案して実施しており、何か基準を設けて、一律に行うものではありません」と回答した。
また、ネットをはじめ様々な反発の声に関してどう思うか尋ねると「民事手続きを実施することについて、さまざまな声があることは承知していますが、受信料の公平負担を進めるうえでは必要な対応だと考えています」と回答した。
国民の理解を得られているとはいいがたい受信料制度そのものを、改めて検討し直していくタイミングに来ているのかもしれない。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













