評判最悪のダイナミックプライシング…客足に影響は?
昨今、プロ野球ファンを悩ませているチケット高騰問題。その元凶とされるのが需要によって価格が変動する料金決定システム「ダイナミックプライシング」(DP)だ。
「2025年シーズンは7球団でこのDPを導入。今季セリーグで唯一全主催試合にDPを採用していた東京ヤクルトスワローズの場合、人気のカードは初期販売価格から跳ね上がり、外野席でも1万円以上になることが珍しくなかった。それどころか、空席の多い試合でも初期販売価格の2倍近くになることもありました」(チケット事情に詳しい野球ライター)
当然、このDPはプロ野球ファンからの評判は芳しくない。
「去年まで神宮球場のヤクルト戦に年間で20~30試合は現地観戦してましたが、それもチケット代が適正価格だからできたこと。今年はDPで価格が上がったので、例年の半分も行きませんでした」(40代の古参ヤクルトファン)
「DPはファンクラブの上位会員なら初期販売価格に近い料金で購入できますが、一般販売だと価格は高騰しきっている。私みたいに年数回しか観戦せずファンクラブにも入会していないライトなファンは最も高い状態でチケットを購入しなくてはいけない。これじゃ数少ない機会も足が遠のいてしまう」(30代の福岡在住ソフトバンクファン)
このようにコア層にもライト層にもデメリットが多いDP。しかし、今季のプロ野球全体での観客動員数は全入場者数2704万286人と、昨年の2668万1715人から約36万人増加している。
「チケット価格の高騰が顕著だったヤクルトに関しても1試合平均2万8153人から2万7944人とわずかに数を減らしたものの、チームが早々に最下位を独走したことと主砲の村上宗隆が長期不在だったことを考えれば、目立った客離れは起こっていません。
これを見るに、DPを導入する球団のチケット収入は相当増えたのでは。来季もDPを導入する球団が増えることはあっても減ることはなさそうです」(前出野球ライター)













