WBCチケットの手数料は最大3300円…

一方で、日本シリーズはどうだったのか。日本シリーズは主催が各球団ではなくNPBということもあって、いずれの試合もDPが導入されていなかった。

「その影響か、みずほPayPayドーム福岡でも甲子園球場でも通常席の最安値が3900円と、日本シリーズなのにかなりリーズナブル。DP採用のレギュラーシーズンよりも安く購入できるという“逆転現象”が起こっていました」(前出野球ライター)

さらにプロ野球ファンを驚かせたのが、11月10日から開始された「2026 ワールドベースボールクラシック」(WBC)のチケット(強化試合、東京プール)における、NPB各球団ファンクラブ会員限定の先行抽選受付だ。

いずれの試合も日本シリーズ同様、DPが採用されていない。チケット料金を確認してみると、東京プールの日本戦でもっとも料金が高いチケット(エキサイトシート、ボックスシート等除く)が指定席SSSの3万4000円、最も安いチケットは指定席Cで6500円。

前回大会の盛り上がりを鑑みるに高額すぎるとは言えないが、野球ファンを驚かせたのはその手数料だ。申込ページの注意書きには以下のような記述がある。

※チケット代金の他に、以下の手数料(税込)がかかります
・先行サービス料:1,540円/1枚あたり
・システム利用料:330円/1枚あたり
・サービス料:440円/1枚あたり
・配送手数料:990円/1申込あたり

手数料に関する記述(ローソンチケットHPより)
手数料に関する記述(ローソンチケットHPより)

つまりチケット1枚を購入すると最大3300円の手数料が発生し、仮に6500円のチケットを2枚購入したとすると、「チケット代1万3000円+先行サービス料3080円+システム利用料660円+サービス料880円+配送手数料990円」で、合計1万8610円(うち各種手数料5610円)となるのだ。

これには野球ファンたちがSNSで即座に反応。

「手数料だけで外野チケットくらいの値段になってる(笑)。ファンクラブ会員に対してあまりにむごい仕打ち」

「まるで謎の名目で料金を上乗せする“ぼったくり居酒屋”の手法」

「そもそも令和の時代にチケットの受取方法が配送一択って……」

と非難轟轟だ。

「日本戦以外のチケット料金は最安値が2600円とお手頃ですが、各種手数料は日本戦と同じで、チケットよりも手数料のほうが高くなっているのはもはやお笑いですね。これでは今大会も日本戦以外はガラガラとなってしまい、野球世界一を決める大会としての箔がつかないでしょう」(前出野球ライター)

今回のWBCチケットを販売する株式会社ローソンエンタテインメントに、各種手数料の内容について問い合わせたところ、以下のような回答があった。

「『先行サービス料』は一般発売より早くチケットを入手できる先行販売サービスの利用時にかかる手数料となります。本公演は大変人気のあるチケットで、当社のみで販売していることもあり、通常より多くのお客様にお申込みいただくことが想定されます。その上でのサービスクオリティ維持のため、通常の販売と異なる運用費、本案件においてのシステム増強や設備・運用・管理の強化、また、抽選・当選の作業における設備・運用・管理の費用などとしています。

『サービス料』はより良い商品を仕入れ、お客様にご提供するためにかかる手数料となります。人件費やサービス運営費、諸経費としています。

『システム利用料』はローソンチケットのシステムを使用する際にいただく利用料です。ローソンチケット販売全体に関わるシステムや設備、運用、セキュリティ対策などのサービス維持のための費用としています。

『配送手数料』は配送にともなう実費、諸経費としています。今回、郵送以外に受取方法がないのは、大変人気のあるチケットで高額のチケットも含まれますため、転売防止のための取り組みの一環となります。

ローソンチケットでは、今後もお客様へより良いサービスの提供と品質の向上に努めてまいります」

今大会の放映権はネットフリックスが独占して地上波放送はなしの見込み。それに加え、大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希というドジャーストリオが出場するかもわからない。この謎の手数料がWBCのさらなる盛り下げの一因にならなければいいのだが……。

取材・文/集英社オンライン編集部