断ったら「心が狭い」と愚痴られることに…

この投稿には、同情の声のほか、実際に似たような体験をした人の生々しい証言も寄せられた。

「席1つズレてくださいって言われて、え、席間違えた!? って慌てて確認したら合ってた。『間違ってないですよ?』って伝えたら『友達と座りたいから席ズレてほしくて』って言われて、いやそれ”お願い”の言い方じゃないでしょ!? ってビビった」

「私も先日『国宝』の上映会で遭遇しました。驚いたのは、その夫婦が特大ポップコーンを買っていたことです」

ふたりで食べる前提で買っていたとしたら、モヤモヤするのもうなずける。また、映画館だけでなく、新幹線やライブ会場などでも、同様の“席交換トラブル”は起きているという。

「映画館じゃないけど、似たようなことあって丁重にお断りしたら『心が狭い』だの『変わってくれてもいいのに』だの聞こえる声で言われたことあります(全座席指定で座席交換禁止でした)」(原文ママ)

「自分はロックバンドのLIVEで女の子に『友達と近い席(隣とかではない)になりたいので譲れ』と言われたので、ハッキリ断りました」

一方で、こうしたトラブルの背景には「意図的な一席空け予約」があるともいう。満席でない劇場や新幹線などでは、あえて自分たちの間に一席を空けて予約し、荷物置きや“自分たちだけのスペース”として確保しようとする人もいるのだ。もしその間に他の客が予約してしまった場合は、「席をズレてもらう」という手段に出る。

今回の投稿主が遭遇した二人組はそのケースには当たらないが、他人に席をズレてもらうことを前提とした行為という点では変わらない。

そもそも、そこまでして「いい席」で観たいのなら、席の重要性は理解しているはずだ。にもかかわらず、他人に席交換を強いる――。映画館でのマナー問題は、まだまだ根が深い。

「どんなに足が長くてもまえの席にはのせないように」(画像はイメージです/Shutterstock)
「どんなに足が長くてもまえの席にはのせないように」(画像はイメージです/Shutterstock)
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取材・文/集英社オンライン編集部