「スクールバス」や「スクールタクシー」による対応も

こうした状況に行政側はどう対応しているのか。秋田県教育庁保健体育課の担当者は次のように話した。

秋田県庁(PhotoACより)
秋田県庁(PhotoACより)

「市町村や学校の判断に応じて、スクールバスによる送迎を行なっているところもあります。運行にあたっては、今までは決められた集合場所から子どもたちが乗車していましたが、子どもたちの家の目の前で乗り降りをするという対応に変えた学校もあります」

なかには五城目町のように「スクールバス」から「スクールタクシー」での対応に切り替えるなど柔軟な対応を取る地域もある。しかし、すべての地域や学校でそうした対応を実施しているわけではないという。

写真はイメージです(PhotoACより)
写真はイメージです(PhotoACより)
すべての画像を見る

「バスやタクシーでの送迎を行なっていない学校もありますので、その場合は保護者に送迎をお願いする形になってしまいます。その場合でも、普段は車の乗り入れを禁止している学校の敷地内に保護者の車を乗り入れてもらって、いわば“ドライブスルー方式”で子どもたちを乗り降りさせたりもしています」

県では、ほかにも警察やPTA、警備会社などによる巡回を強化しているという。

「県や各市町村、各学校でできることは対応しています。今年度これだけクマが出没していても、現時点では子どもたちのケガや事故は発生していません。学校だけではなく、保護者や地域の方々の協力があって、この状況を保てているのではないかと思います」

こうした状況の中で、高市早苗総理は12日、参議院予算委員会で「政府として近くクマ被害対策施策パッケージを取りまとめる」と答弁。補正予算も活用して必要な施策を順次実行しながら、自治体が必要とする経費に対する支援も拡充していくと表明した。

現場ではすでに日常生活そのものが立ち行かなくなっている。国による早急な対策が求められる。

※「集英社オンライン」では、クマについての情報、ご意見を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(旧Twitter)
@shuon_news 

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班