心が不調のときに自問すること
そして運動も欠かせない。神経伝達物資の素になるのが食(アミノ酸、ビタミン、ミネラル)だとすれば、その分泌のスイッチを担うのが運動である。ウォーキングやジョギングなどのリズム運動はセロトニンを、やや強度のある運動はドーパミンの分泌をうながす。
ようするに、心は「食」と「運動」のコラボによって支えられているわけだ。さらにそのコラボの最適化を司るのが十分な睡眠である。その意味で睡眠はまさに生命線だろう。睡眠不足はあなたのあらゆる機能を低下させる。バイタリティを奪うのだ。十分な睡眠あってこその食と運動なのである。
僕も心が不調のときは「食べているか?」「運動しているか?」「寝ているか?」と自問する。心ではなく、体の声を聞く。食・運動・睡眠。それさえあれば無敵だ。
でもその3原則を軽視する人が多い。たぶん当たり前すぎてつまらないのだろう。SNSを開けば「#丁寧な暮らし」と称して、オーガニックな食卓やミニマルな部屋の様子を写した写真がひしめいている。それが健やかな生き方だと言いたいのだ。くだらない自慢である。そんな気取った生活なんて長続きしない。
それより地道に3原則を守ろう。シンプル・イズ・ベストだ。そうしていつでも自分の機嫌を自分で取れるようにしておく。それこそが本当の丁寧な暮らしだろう。
「不安」に駆られた夜はベッドから出ろ
ベッドに入ったものの、なかなか眠れない。仕事のちょっとしたミス。友人との些細な言い合い。目を閉じると、先日あったそんな出来事が不意に頭に浮かんできたのだ。
どれも大した問題ではない。実際、そのときはほとんど気にならなかった。よくある取るに足らない出来事だ。それがいまになって「でも大丈夫かな」と引っかかる。
変だ。神経質になっている。なんで今日にかぎって?体調が悪いわけでもない。仕事もプライベートも順調だ。でも胸のざわつきは膨らむ一方である。さっさと眠りたいのに眠れない──。
普段さして気にならない事柄が急に不安として芽生え、心がかき乱されてしまう。あなたも一度や二度ならず、そんな思いをしたことがあるのではないだろうか。一体どういうことなのか。原因は、心に「余白」があるせいだ。












