共産党の機関紙・赤旗と見間違うほど
「自維政権合意 深く危惧」
「献金規制強化 進展なし」
「衆院定数削減 与党だけの決定は乱暴」
「憲法9条改正、防衛装備品の移転対象拡大、 国のあり方大きく変える」
どうだろうか。政権に批判的な見出しがこれでもかというほど並ぶ。共産党の機関紙赤旗と見間違うほどだ。
自公連立時代の公明新聞といえば、悪くいえば政権の政権の御用聞きメディアのようなものだった。
2015年に安倍晋三総理が進めた集団的自衛権の一部容認を含む安全保障法制については、創価学会の女性部(当時は婦人部)などに反対意見が多かったにもかかわらず、連日のように公明がブレーキ役になっていかに集団的自衛権の行使に歯止めがかかっているかなどを解説する記事であふれかえっていた。
いまでは、企業団体献金の廃止や規制強化に後ろ向きな自民党とその自民党を助ける維新に痛烈な批判を浴びせる。
なかでも公明党にとって党の存亡にもかかわる議員定数削減については、
「全党協議で決めるべき」(10月23日)
「選挙制度と一体で検討を」(同)
と真っ向から論陣をはる。
ただ、前述したように近年は公明新聞の部数ともに減っているという。公称は80万部とされているが、「実際には党勢と同じで相当落ち込んでいる」(公明党職員中堅)という。
いまだ斉藤代表にSPがつく理由
公明新聞は1962年に公明党の前身である公明政治連盟の機関紙として創刊された。当初は2ページ建てで月2回の発行だったが、1964年に公明党が結党され、翌65年には日刊化された。
地方議員は「議員実配目標」という事実上のノルマを課され、その達成状況を厳しく問われてきた。
公明と離れ、維新と組んだ高市総理の内閣支持率は報道各社で70%前後と絶好調だ。公明がのどから手が出るほどほしがっていた若者の支持率は8割を超えるなどもはや驚異的だ。そんな高市総理を敵に回し、国会や機関紙で批判し、党勢は本当に回復できるのか。
とりわけネット世論で人気が高い高市総理への批判はブーメランにもなりかねない。現に公明党は与党から第野党に三野党になったにもかかわらず、斉藤代表には警護のための警視庁SPがいまだについている。
野党では、これまで第一党の代表にはSPがつくのみで、第二党以下にはついてこなかった。実際、野党第二党の国民民主党の玉木代表にはSPはついていない。第三党の公明につくのも「右翼に襲われたら大変なので警視庁にお願いして野党になってもつけてもらった」(公明党職員)というのが現状だ。
公明は政権批判で存在感を示すのか。それとも立憲民主党や国民民主党との野党連合に活路を見いだすのか。落日の公明党の迷走が続いている。
文/長島重治













