「今国会で出来なければ自民と維新はスピード離婚だ」
高市氏と吉村氏は20日、12の政策項目を並べた連立政権の合意書にサインした。総理大臣指名選挙を前日に控えたぎりぎりの交渉だった。
維新は大臣ポストに加えて副大臣・政務官といったポストも取らなかった。そして合意書には「議員定数の削減をこの秋の臨時国会で議員立法案を提出し、成立を目指す」と記した。
吉村氏は「12項目すべてを一気に出来るとは思っていない」と周囲に語る一方で、テレビ出演などで「議員定数削減が改革のセンターピン。秋の国会で必ずやり遂げることが自民党との約束だ」
立憲民主党のベテランはこの項目に注目する。
「これは火種だね。間違いなく政局だ。自民党も他の野党も飲めるはずがない。今国会で出来なければ連立離脱というなら、間違いなく自民と維新はスピード離婚だ」
議員定数の削減は2012年にも当時の民主党政権の野田佳彦総理と自民党の安倍晋三総裁も約束し、野田総理は衆院を解散した。しかし、自民党がその約束を守ることはなかった。
議員の定数を削減するということは身分を失わせることだ。「自民党が飲むはずがない。維新は絶対にだまされる」。当時を知る立憲のベテランたちは口をそろえる。
比例区だけを削る維新案に公明党や共産党は猛反発
さらに、吉村氏は1割削減を衆院の比例区削減で求めている。衆院は小選挙区比例代表並立制で定数465のうち、小選挙区289、比例区176。比例176から定数の1割を50として引くなら126になる。
個人名を書いて1選挙区から一人しか当選できない小選挙区は大政党有利だが、政党名で投票できる比例区は小中政党にとって有利だ。
元々は1994年の平成の政治改革のときに、政権交代可能な二大政党制への移行を想定して小選挙区制の導入を決めた。そのとき、中小政党のために比例区制度も織り交ぜるということで小選挙区300、比例200で定数500、という3:2の配分が決められた。
そんな経緯があるため、比例区だけを削る維新案に公明党や共産党は猛反発する。参政党やチームみらいという新興政党も反対を表明している。
みらいの安野貴博代表は「私みたいなスタートアップは消える。政治の世界の新陳代謝を低下させる」と真っ向から反対の論陣をはっている。さらに安野氏は続ける。













