セイコーマートのカフェラテは主要コンビニの半額
値上げ理由はコーヒー豆の高騰や生産量減少などの構造要因だ。
ファミリーマートも2025年5月27日から「FAMIMA CAFÉ」を平均9%の値上げ。コーヒーS(ホット/アイス)が130円→145円、アイスコーヒーMやアイスカフェラテMが220円→240円へ。
ローソンは2025年7月1日付で「MACHI café」を改定。コーヒーS(ホット/アイス)は140円→160円、カフェラテMは210円→230円、アイスカフェラテMは260円→280円など、物流費・豆価格・包材コスト上昇を理由に段階的に引き上げた。
こうしてみると、セコマカフェのブレンドコーヒーは、値上げしても他のコンビニチェーンの7割程度で、カフェラテに至ってはほぼ半額である。なぜここまでの安さを実現できるのか。
株式会社セコマの広報担当者はメール取材に対し、「カフェラテで使用する牛乳は北海道豊富町産牛乳です。牛乳のおいしさが特徴なので、是非体験してほしいので、手に取って頂ければと考えたためです」と回答した。
物価高の影響については「原材料・人件費・エネルギーなどの上昇を背景に価格改定はあるが、サプライチェーン効率化や調達見直しで上昇を抑える努力を続ける」とし、“安さの維持”を企業姿勢と明言している。
北海道は、日本全体の生乳生産量の約57%を占める一大酪農地帯だ。しかし国内の牛乳消費は長期的に減少傾向にある。飲用離れが進む一方で、輸送コストや飼料価格の上昇も重なり、酪農経営は厳しさを増している。
そうした背景から、農林水産省が牛乳の消費拡大を呼びかけたり、北海道庁やJAグループなどはここ数年、牛乳の消費拡大キャンペーンを積極的に展開している。セコマのカフェラテが安い理由の裏には、「北海道の牛乳を飲む文化を支える」という使命感も垣間見えるようだ。
取材・文/集英社オンライン編集部