自分の夢は努力で叶える
僕には「考え過ぎる癖」もあるのですが、走っているときはなぜか、考え過ぎることもなく、ひらめきがパッと降りてきます。
ジャンプの調子が悪いときも、「体のどの部分が悪いのか」といったことが、走っているうちにわかってくるのです。
そして解決策も、記憶の引き出しの中から浮かんできます。たとえば、「上半身を起こさない、伊藤有希選手の踏切姿勢」が浮かんでくるといった具合に。これは「走りながら行なうイメージトレーニング」と言ってもよいかもしれません。
もう少し長いスパンでも、このイメージトレーニングはできます。「まずは国内大会で優勝する。その後ワールドカップの国内予選を通過して、海外の本戦でワールドカップポイントを獲得する」といった目標も、毎日走りながら詳細にイメージすることで、「では、自分が今すべきことは何か?」が具体的に見えてきます。
それは「1ヶ月で5キロ減量する」とか「150キロ走る」かもしれません。あとは、それを実行していくのみです。
これはスポーツに限らず、仕事や人生の目標設定にも応用できます。僕の場合は、「自分が乗りたい車がある。それを買うためにはいくら必要。そのためにこの大会で賞金を獲得する」という道のりを描くこともあります。
ノートに目標を書き出すという方法も有効ですが、リストアップが終わったら、ランニングしながら夢を描くことをお勧めします。スマホにメモをしておいて、走る前に確認するのもよいでしょう。
2024年は、TVh杯優勝、そしてワールドカップ出場をめざして、1月の1ヶ月間で雪道を150キロ走りました。1月1日から正月返上で、本気を出して走りました。毎日30分ずつ朝晩走って、気がついたら1ヶ月で150キロ。普段は1ヶ月に約80キロ走るのが、最近の僕のペースなので、倍近く走ったことになります。
自分でも、よくこれだけ走り込んだなと思いますが、全く苦ではありませんでした。「負けたくない」という気持ちを原動力に、「ワールドカップ代表に復帰する」という明確な目標があったからです。
「自分の夢は努力で叶える」が僕の座右の銘ですが、そこに「走る」という行為は欠かせません。ランニングは、最高のメンタルトレーニングだと思います。