「草野球の星!両津選手の巻」(ジャンプ・コミックス第183巻収録)

今回は、両さんが金のために野球をやってやってやりまくるお話をお届けする。

草野球界での有名人である両さんに、ユニフォームメーカーからとある持ちかけがある。それは、ユニフォームを購入したチームに、両さんを助っ人選手として貸し出したい……そしてその対価として、一試合あたり5万円の報酬を支払うというものだった。

金のためなら! と二つ返事で引き受けた両さんは、やがてとんでもない数の試合に出場し続けることになるのだが……。

体のできあがっていない高校生ピッチャーに連投させる。過密な試合日程が選手のストレスを増加させ故障のリスクを高める。出場者に疲労が蓄積し、大量失点をしてしまう試合運びが連続する。……など、勝利への過剰なこだわりや経済効果・話題性第一主義は、プロ、アマチュアを問わず、つねにスポーツ界の大きな問題となっている。

本作における両さんも「絶対に肩壊す」ほどの連投、朝4時からの試合のハシゴ、豪雨の中での試合続行など、ありとあらゆる仕打ちを受ける。両さんほどではないにしろ、似たような境遇に置かれているアスリートも多いのではないだろうか。

なお両さんは、金のためにスポーツの助っ人稼業に勤しんだことが、本作以外でも何度もあった……。

「必殺ポリスマスクの巻」(ジャンプ・コミックス第51巻収録)では、腕っぷしを買われてプロレスのコーチを引き受けるが、気がつくと覆面レスラーとしてリングに登っていた。

「草野球オリンピックの巻」(ジャンプ・コミックス第52巻収録)では、借金のカタに出場した野球の試合で、豪雨の中でひとり試合続行を求めて大水に流された。

そして、本作に匹敵するほど過密な助っ人業をこなすのが、「体力株式会社の巻」(ジャンプ・コミックス第60巻収録)でのこと。野球をはじめ、水泳、柔道、ラグビー、引っ越しの荷物運び(これはスポーツではない!)と、さまざまな種目を次々とハシゴしていった。両さんの場合、おのれの体よりも金が大事! なのだ。

「体力株式会社の巻」より。秒刻みの過密スケジュールのため、ラグビーのユニフォームのままでプールに飛び込む!
「体力株式会社の巻」より。秒刻みの過密スケジュールのため、ラグビーのユニフォームのままでプールに飛び込む!

それでは次のページから、前人未到の試合数に挑む両さんの活躍? をお楽しみください!!