東洋大学「卒業生の就職への影響も懸念しておりません」
いっぽう、田久保市長がもう一つ火花を散らしている相手が“母校”の東洋大だ。
「東洋大は8月、『卒業していない方には卒業証書を発行することはない』と表明し、田久保氏に卒業証書を出していないことを明確にしましたが、偽物と認めない田久保氏は納得せず『そこはきちんと確認するべき』と発言しました。支持者のなかには『東洋大が田久保さんをハメた』と主張する人までいます」(前市議)
当の東洋大関係者は何を思うのか。東京文京区にある白山キャンパス周辺で学生に話を聞くと、意外にもこの問題を知っているのは6割程度という印象だった。
知っていても関心が薄い学生が多いなか、体育会系の3年男子学生は「風評被害があったら嫌だなと感じている。後輩には可哀想。東洋大の看板をもっといいところに使ってほしい。あともう少し説明責任は果たすべきだと考える。これが自分の街の市長だったら嫌だなと誰だって思う」と批判的だ。
いっぽうで「あれほど叩かれるのはおかしい。卒業生でなかったとして東洋大の名前を使って悪いことを実際にしたんですか。犯罪をしたんですか。これだけ非難されるということは、田久保さんを貶めたい人がいると思う。間違っていたかもしれないけど、いじめと一緒で叩きすぎではないか」(3年生男子学生)と、沸き起こる批判のほうに向けた厳しい声もあった。
東洋大自体は「入学志願者への影響は無いものと認識しております。卒業生の就職への影響も懸念しておりません」と取材に答えた。
東洋大卒業生の大学ジャーナリスト、石渡嶺司氏は
「入試動向に影響はないでしょう。近年、アメフト部の悪質タックルや薬物犯罪が発覚した日本大学だけは(志願者が減るという)影響が出ました。謝罪せず、変に突っぱねたりしたからでしょう。
今回は東洋大学が何かしたという話ではなく、田久保市長が疑惑を持たれているだけ。東洋大学は勝手に卒業を自称されたとか、卒業証書を偽造されたんじゃないかという被害側です。
就職については、日大ですら影響は出ませんでした。これも全く影響しないでしょう」と分析した。
お騒がせな「先輩」のとばっちりを後輩が受けないなら何よりだ。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班