サファリガイドの月給は……
――ツアーの参加者はどこの国の方が多いですか?
南アフリカに来るお客様の中心はヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアといった欧米圏の方々です。私がガイドを始めた頃は日本人のお客様はほぼゼロでした。今はメディアやYouTubeを通じて「日本人ガイドがいるなら安心」と思っていただけるようになり、ツアー参加者の100%が日本人です。
――ずばり、サファリガイドの給料はどれくらいなのでしょうか?
南アフリカで資格を取り立てのサファリガイドは月給4〜5万円程度が一般的です。ただし住み込みで、食事も寮も提供されるので生活費はかかりません。
――現在はどんな生活をされているのでしょうか?
サバンナの広大な大自然の中にポツンとある賃貸の一軒家に住んでいます。家賃は月に約4万円です。
ただ、不便なのが停電です。停電すると水道も止まってしまうので大変なんですよ。あとはWi-Fiがすごく不安定で、メールすら開けない日もあります。そういうときは、仕事をするために車を運転して町まで行くこともあります。
でも、窓の外を見るとゾウやサル、鳥など野生動物がすぐ近くにいて、それを見るとすごく幸せを感じます。それには勝てないですね。オフの日は自分で車を運転して一人サファリをしたりしています。仕事でお客様を案内するのと、自分のペースで回るのとではまったく違う体験なんですよ。
――オフの日も動物を! そこまで動物を好きになったきっかけはなんだったんですか。
物心ついたときから、ずっと動物が好きでした。生まれたときから実家では犬を飼っていて、常に動物と一緒に育ってきました。横浜の自然が多い地域で育ったこともあり、小さい頃から外で遊びながら生き物とふれあうのが大好きでした。近所の獣医さんがとてもかっこよく見えて、「動物を守る仕事」に漠然と憧れを抱くようになったのは、その頃が原点だったと思います。
――これから先の夢や目標はなんですか?
私の夢は「死ぬまでサバンナで環境保護に貢献すること」です。
今は「Yuka on Safari」という会社を立ち上げて、南アフリカのクルーガー国立公園の近くに、日本人として初めてロッジをオープンしたんです。今年オープンしたばかりなので、まずはその経営を安定させることが、一番のミッションですね。
ここへ来て初めて人を雇う立場にもなったので、運営はまさに挑戦の連続です。でも、日本からお客様をたくさんお迎えしてこのロッジに滞在していただき、現地の南アフリカの人たちを雇用することが、私にできる「貢献」のひとつだと思っています。だからこそ、これから先もずっとサバンナで暮らしていけるように、まずはこのロッジを成功させたいですね。
取材・文/集英社オンライン編集部