専業主婦にがんが見つかった事例も

2024年4月にスタートした「chocoZAPメディカル」のMini人間ドックは、この1年間で延べ21,518人が受検。そのうち約7割はCT・MRIなどの高度画像診断を受けたことがなかった人たちだ。

chocoZAPメディカルクリニックの院長・木村祐子氏によれば、「自分には所見がないだろう」と思っていた人でも、実際には5人に1人の割合でなんらかの所見が見つかっているという。

「50代の専業主婦の女性がCTを受けて肺がんが見つかったことがありました。きっかけは『普段は健康診断を受ける機会がなく、元気だから大丈夫だと思っていたけれど、無料なら一度試してみようと思った』というものでした。

聞けばご自身は煙草を吸わないものの、長年一緒に生活するご主人がヘビースモーカーとのこと。このケースは意外に多いのです。紹介先の大学病院で精密検査と治療を受け、半年後には治療を終えて元気になったと報告がありました。こうした例はすでに数十件に上ります」(木村氏)

クリニック院長の木村祐子氏 著者撮影
クリニック院長の木村祐子氏 著者撮影

検査で多く見つかるのは、頭部MRIでは40〜50代男性の“隠れ脳梗塞”。胸部・腹部CTでは脂肪肝が圧倒的に多く、とくに40代以降で目立つ。

さらに、胆石や尿路結石、胸部CTでの肺炎といった例もある。乳腺エコーでは30〜40代女性の有所見者が多く、乳がんの罹患傾向とも似ている。

サービス開始からわずか1年で、重大な疾患の早期発見につながった事例も報告されているchocoZAPのMini人間ドック。

ジムで手軽に受けられるこの仕組みは、新しい健康インフラとして今後さらに広がっていくか注目していきたい。

取材・文/福永太郎