あたかも自分が被害者であったかのように語る姿勢 

出版社が録音データを他のメディアに貸し出して利益を得ていたという情報も、事件の背景に何らかの意図があったのではないかという憶測を呼んだ。

豊田氏自身も、最近出版されたとある書籍の中で、元秘書が意図的にミスを繰り返していたかのように主張している。

地元でめちゃくちゃをされパニックになったところを録音された、自分の信頼や評判を貶めるために意図的にやっていたとしか思えない、といった記述である。

豊田氏の主張に対し、元秘書たちは「歴史の改ざん」「心の底から怒りを覚える」と週刊誌などで強く反発している。暴行については一切触れず、あたかも自分が被害者であったかのように語る姿勢は許せないと憤りを隠さない。

一方、参政党の神谷宗幣代表は、豊田氏の厚生労働省官僚や国会議員としての経験と能力を高く評価している。

参政党の神谷宗幣代表
参政党の神谷宗幣代表

神谷宗幣代表は記者会見で「官僚の経験、議員の経験がある方を一生懸命探していた」「過去のいきさつはあるが、やはり能力と想いのある方」と起用理由を説明した。神谷宗幣代表はさらに「1回の失言やトラブルで政治生命が終わるというのは良くない」と述べ、豊田真由子氏の再起に期待を寄せた。

 「パワハラのイメージしかない」 

豊田氏自身も就任会見に臨み「8年前、大きな大きな失敗をした」「至らなさ、未熟さを恥じながら生きてきたが、反省の上でゼロからスタートしたい」と深く頭を下げ、地道に党の政策作りに貢献したいという意欲を見せた。

豊田氏の復帰に対する世間の反応は、賛成と反対に真っ二つに割れている。「パワハラのイメージしかない」「弱い立場の人に強く当たる本質は変わらない」といった厳しい批判の声が上がる一方、「騒動後は反省して地道に頑張っていた」「知識や経験を活かせる場だと思う」という応援の声も存在する。

コメンテーターとして活動していた時期の物腰の柔らかい姿や、的確な分析力を評価する意見もある。豊田氏の就任は、参政党にとって政策立案能力の強化というメリットがある一方、党のイメージを損なうリスクもはらんでいる。