「夫と長男の仲がずっと悪い。何か解決方法はないでしょうか」
一方で、70代の近隣の住民男性には、進藤さん一家の異変に少し心当たりがあるようだった。
「長男はずっと無職で、たまにアルバイトをしに街の方に行ってたみたい。長男はおとなしい子だしトラブルも聞いたことないんだけど、親子仲はめちゃくちゃ悪い。まあ親父が教育熱心で子どもに厳しかったことで有名だった」
さらに、60代の女性は進藤さんの妻から相談を受けたことがあったという。
「奥様には『夫と長男の仲がずっと悪い。何か解決方法はないでしょうか』と相談されていました。殴り合いをするほどではないけど、言い争いが絶えないと。ご長男は持病があって働くことが難しく、その一方でお父様は教育熱心だっただけに、キツく当たることも多かったと記憶しています。
あのお家にはこれまでも救急車やパトカーが出動する騒ぎが何度もあってね。実際に誰かが搬送されたり、警察に連れて行かれたことはなかったんですけど」
近くに住む60代の男性もこう振り返る。
「お父さんはもともと学校の先生だったし、教育熱心だったなあ。まあずいぶん昔の話、(家族でこっちに来ていたときに)子ども同士でおしくらまんじゅうしてて、進藤さんの子どもが頭の怪我をしたことがあってね。
進藤さんが『いじめられた』と騒いだり、警察に駆け込んで相手の子どもの親を呼び出したりなんかして、とにかくコトを荒立てることが多かったです。最近もしょっちゅう口喧嘩の声が聞こえてきてたね。救急車とかもよく呼んでたから、また家族で喧嘩してるんだと思ってたよ」
この集落ではときおり出没するクマよりも、進藤さん一家の家庭内トラブルの方が有名だったようだ。80代の女性も取材にこう答えた。
「何回か救急車が来た覚えがあります。近くに住んでいるから、わかりますよ。でもね、私も耳が遠いから、喧嘩の声までは聞こえなかったのよね。それにしても救急車の頻度が多いなって思ってた。
長男は体調が悪いらしくて定職に就いてなかったし、ほとんど見かけたことないな。お父さんが自転車に乗って畑に出かけるのはよく見たけど。まあでも、お父さんもここら辺の人間とは深く交流を持たんわけよ。だから詳しい家族のことはわからんのよね」
捕まったのはクマではなく、以前からトラブルを起こしていた長男だった。詳しい動機の解明が待たれる。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班