「校長はどういうつもりなのか」と連絡を入れると
広陵高校は今年1月までの間に当該の生徒を含めて聞き取りを行なった。そして教員2人が保護者のもとを訪れ、「やっていません」という「調査結果」の報告があったという。
「息子の様子からも何かがあったのは明らかだったので、今年2月に安佐南警察署に部員3人による性的暴行と、中井監督とコーチ陣からの暴行に関する被害届を出しました。その後に広島県の教育委員会に連絡し、第三者委員会を立ち上げるということになりました。
その頃になっても広陵高校の校長からは一度も連絡がなかったので、ある教員に『校長はどういうつもりなのか』と連絡を入れると、2、3日後に校長から『A君のことは一生懸命やらせてもらいます』と電話がかかってきました。遅すぎると思いました」(Aさんの父親)
すでに第1回目の第三者委員会は終わっており、A君の両親は中井監督やコーチの暴言や暴行について約2時間にわたって証言したという。
「前回は時間切れみたいな形で終わりました。8月26日に2回目の第三者委員会があり、そこで性的暴行などについて話をすると思います。学校側が認めない真実が、第三者委員会の調査で明らかになるといいんですが。
卒業に関してはオンライン対応でどうにかできるようなのですが、本人が『こんなひどいことをしたヤツらと同じ今の学年で卒業なんか絶対にしたくない。100年広陵にいてやる』と言っておりまして、親としても困り果てています。
帰ってきてから寮のお風呂でされたことのトラウマなのか、怖くて1人でお風呂に入ることもできなくなって父親と入っています。私たちはそんな息子の様子を見ています。(加害者たちが)息子へ行なったことに、きちんとした処分もないということも到底納得できていません」(両親)
こうした被害者側の主張と、学校側の調査結果とは大きく食い違っている。
Aさんの保護者の取材の後、改めて学校側の見解を聞くべく広陵高校の理事長に話を聞きにいったが「申し訳ない、明日、学校が開いているから学校を通してほしい」と繰り返すのみだった。翌日、改めて広陵高校を訪れたが、学校は閉鎖されており対応をしてくれる者はいなかった。
寮という閉ざされた空間で、いったい何があったのか。第三者委員会の検証が待たれる。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班