「市長がいなければメガソーラーは止まらない、ということはない」

もう一つの、メガソーラー計画についても市長の話にうなずく人は少ない。

「田久保市長はもともと伊豆高原のメガソーラー建設計画反対運動に携わり、支援者のコアメンバーは移住してきた高齢者でこの反対運動に参加した人が多い印象です。

この計画は元々韓国系企業がメインで行なっており、『なぜ住民でもない外国人が自分たちの生活を脅かすんだ』というヘイト感情を持つような人間もいます。

しかし、メガソーラーはすでに市議会が反対を決議した上、開発を止める条例もできています。工事をするには工事車両が通る橋を川に掛けなければいけません。

その河川占有許可をめぐり業者との訴訟が続いていますが、伊東市は許可は出しませんよとストップをかけている。つまり、もうすでに止まった事業なんです」(市議)

8月6日、中島弘道市議会議長から“卒業証書”の提出と百条委への出席を要求される田久保市長
8月6日、中島弘道市議会議長から“卒業証書”の提出と百条委への出席を要求される田久保市長

こうした認識は市内だけではない。静岡県副知事として伊豆高原のメガソーラー計画に対応した経験を持つ静岡市の難波喬司市長は8月6日の定例記者会見で、「伊東のメガソーラーがどういう状態にあるのかについて、事実とは異なるような情報が出ているので、事実関係だけはっきりしておきたい」と切り出して河川占有の許可問題を説明。

その上で「市長がいなければメガソーラーは止まらない、ということはない」と述べた。

8月6日 午後6時ごろ、退庁の際メディアに頭を下げる田久保市長(撮影/集英社オンライン)
8月6日 午後6時ごろ、退庁の際メディアに頭を下げる田久保市長(撮影/集英社オンライン)

あたかも田久保市長の“使命”は存在しない、と言ったも同然のこの発言に市長は黙っていられなかったようで、翌7日の昼すぎに自身のXに、

〈事業は止まっているだけで裁判は続いていますし、私が公約に掲げているのはメガソーラー事業の一時停止ではなく「完全白紙撤回」です。

それなのに何故、このタイミングで突然、このようなコメントを出す必要があるのか。 伊豆高原だけではない、メガソーラーの問題は今、全国各地で激しく動いていてどの地区も苦しい戦いを続けています。〉

と反論した。