「4、5歳の頃から掛け算や九九もできた」

教員の児童盗撮事件が発覚したことで、30日には名古屋市の広沢一郎市長は外部の有識者による第三者委員会を7月中に設置すると表明した。さらに「全市立小学校の教員約1万2000人を対象に同様の事案がないか調査する」と発表した。

だが、“変態教員グループ”は名古屋市立小の主幹教諭だった森山勇二容疑者(42)と横浜市立小の教員・小瀬村史也容疑者(37)は逮捕されたもの、その他の7名においては逮捕に至っていない。

この現状については7月1日に行われた閣議後の記者会見で阿部俊子文科相大臣が「当該教員がいれば、子供の前から離れ、一刻も早く名乗り出てもらいたい」と言及。同日、三原じゅん子こども政策担当大臣も「人権をないがしろにする行為、決して許されないものである」と強く非難した。変態教員は今も教壇に立ち続けている可能性があり、全国の小学校の児童を持つ保護者の不安は尽きない。

主犯の森山容疑者(知人提供)
主犯の森山容疑者(知人提供)
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閣僚までもが次々と声をあげ始めた前代未聞の事件。「あんなことをやらかして、ご両親は本当にショックを受けていると思います…」、そう肩を落としたのは名古屋市内の現役教員のAさん(50代)だ。Aさんは水藤被告の一家とかつて親交が深かったという。

「水藤被告の父親が中学校長や教育委員会の課長を歴任していたとの報道がありましたが、実は母親も小学校の校長として定年まで務めあげた人格者でした。私は水藤先生(被告の母親のこと)には教育者とは何たるかを新任当時に教わった。『子供のすることをまずは見る。そしてできたら褒める。できなくてもけなさず助言する』という基本を彼女から教わったんです。ご自宅に招いていただいたこともあります」

Aさんは幼いころの水藤被告のことも覚えていた。

「翔太は4、5歳の頃から掛け算や九九もできていたし、数字パズルなどを好んでやっている頭のいい子という印象でした。中学校は公立でしたが高校は県内でもトップ10に入る進学校に通い、両親の背中を見て教師を志したと聞きました。

つい3年ほどまで年賀状のやり取りはしており、先生の近況はもちろん翔太の近況なども書かれていました。ただ、そんな性癖があったとは驚きでしたし、まさか息子がこんなことになろうとは、家族を知る者は誰も思っていなかったはずです」