日本式ホットドッグのルーツは福岡にあった!?  

だんだんと見えてきた日本式ホットドッグの背景だが、これを世に定着させた店や人物はいるのだろうか。

前出の恩海氏に聞いたところ、“可能性” の話として、ある店舗の名前が上がった。 

アメリカ人から見た日本のホットドッグは、日本人から見た海外のSUSHIのような違和感かと聞いてみると、恩海氏は「まさにそうだと思います」と回答した(PhotoACより)
アメリカ人から見た日本のホットドッグは、日本人から見た海外のSUSHIのような違和感かと聞いてみると、恩海氏は「まさにそうだと思います」と回答した(PhotoACより)

「断言はできませんが、福岡でおじいさんが50年以上されている『今屋のハンバーガー』という、移動車式のお店から、背割りやレタス・キャベツ入りの日本式のものが広まった説はありうるのかなと。

ここはホットドッグのバンズにハンバーグや目玉焼きを乗せていて、時代を考えると、他店に影響を与えた可能性はあるかもしれません」

この話を受け、今屋のハンバーガーに問い合わせると……。

今屋のハンバーガー西公園本店を営む、今年で80歳になる今崎勝美さん(公式HPより)
今屋のハンバーガー西公園本店を営む、今年で80歳になる今崎勝美さん(公式HPより)

 「ウチが発祥というより、今屋のおじいちゃんが教わった人だと思います。福岡には半世紀以上前からホットドッグ文化があって、屋台も多く、子どもの頃からおやつに食べたりするんです。

この始まりですが、関西から来て福岡でホットドッグの移動販売を始めた人がいまして。今屋のおじいちゃんもその人から教わったんです」(今屋のハンバーガー・担当者)

担当者によると、この店は大濠公園ホットドッグスタンドといい、現在は息子が引き継いでいるそう。今度はこちらをあたると、2代目の倉田長紀氏が取材に応じてくれた。