「シンプルライフの巻」(ジャンプ・コミックス第30巻収録)

今回は、暑さのあまり制服の袖とズボンの裾をちょん切ってしまった両さんが、筋金入りのリサイクル主義者と知り合いになったことから巻き起こる騒動をお届けする。

本作が描かれたのは1982年。1978年のイラン革命を機に起こった翌年の第二次オイルショックによる、世界的な経済後退とエネルギー不足を経験した上でのエピソードなのだろう。

この頃は省エネや節電が叫ばれていたが、日本はこの後バブル景気を迎え、お金とエネルギーをジャブジャブ使う時代に突入した。

エネルギー問題や環境問題への対策として「クールビズ」が盛んに唱えられたのは2005年のこと。内閣総理大臣・小泉純一郎と環境大臣・小池百合子が音頭を取り、涼しいと格好いいの両方を示す「クール」と、ビジネスを省略した「ビズ」を掛け合わせたこのワードは、同年のユーキャン新語・流行語大賞のトップテンに選定された。

ちなみに環境省は、2012年には「スーパークールビズ」を提唱。半袖シャツ、ノーネクタイは合格だがハーフパンツやタンクトップはNG、サンダルは△といった、どこを見て何を基準にしているのか不明な服装の可否を提示した。

なお、オフィスや家庭でのすごし方、暑さの乗り切り方についても「指導」しており、こちらもわざわざ言うほどのことなのだろうか? と疑問を感じる内容だった。

両さんの場合は、それよりもふた昔も前に「暑いから!」というシンプルな理由で半袖半ズボン姿になったわけだが、現代の目で見ると、その方がずっと素直に「クールビズ」だと感じてしまうのは、気のせいだろうか。

それでは次のページから、両さんの早すぎたひとりクールビス提唱話(!?)をお楽しみください!!