自分らしさを取り戻そう
「こうしたい」という理想を語るには、感覚を取り戻すことが大切です。
私たちは、お金は大事なもの、仕事は嫌でも頑張るもの、上司には服従など無意識に信じていますが、これらの価値観はいったいどこからきたものなのでしょうか。
私たちは社会を生きるなかで、常識や慣習といった社会がつくった価値観に毒されていて自分の頭で考える感覚をなくしてしまっています。無条件にこうした他人の価値観に縛られているからこそ、自分の好きなことすら答えられなくなってしまっているのです。
子供のころに好きなことを聞かれたら、無限に答えられたでしょう。
食べることが好き! ゲームが好き! サッカーが好き! 3組のあの子が好き!
頭のなかは無限に好きなことであふれていて、それを求めて毎日が彩りを帯びていたはずです。しかし大人になると、いつの間にか、好きなことがわからないと悩んでしまう。自分らしさや自分の理想を語ろうにも、社会という制約のなかで自分の価値観が失われてしまっています。
そこで、自分本来の感覚を取り戻すためにおすすめの方法が2つあります。
一つは、小学校三年生の自分を隣に連れてくることです。小学校三年生くらいの過去の自分を、常に隣に連れて今の自分を見せてください。そこで、当時の自分が今の自分を見て、どう思うかを想像してみてください。
三年生の自分が「うわああ!僕こんなカッコいい大人になれるんだ!早く大人になりたい!」と思うなら、今やっていることは正解です。
しかし三年生の自分が、こんな大人になんてなりたくないと悲しむようなら、今やっていることはまちがっています。
嫌な上司に頭を下げている姿や、SNSで他人の炎上に加担して誹謗中傷する姿を見て、小学校三年生の自分はカッコいいと思うでしょうか。これは自分の根源的な美意識を思い出すためのメソッドです。
なぜ小学校三年生かというと、ある程度の判断ができ、かつ社会の常識や慣習の影響を受けていない年齢だからです。我々は大人になると、仕事だから仕方ないだの、疲れているからしょうがないといって、とかく言い訳をつくりがちです。
社会的であろうとするあまりに、自分らしさを見失っている状態です。これが長く続いた結果、好きなことすらわからない状態になってしまうのです。
自分の美意識を取り戻すために無垢だった子供の視点を取り入れましょう。お金のため、仕事のため、会社のためでなく、自分の美意識、カッコいいかカッコ悪いかで判断することも必要だと思います。