女性は1日半合、男性は1日1合まで
2024年2月、厚生労働省が初めて「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を出しました。
そのなかで、飲酒の悪影響について疾病別にエビデンスを示しています。
これを見ると、男女ともに少しでも飲めば高血圧のリスクが増えることがわかります。また、男性ではとくに胃がんや食道がんが、女性では脳出血が増えます。
一方、男性の場合、1日2合(純アルコール量40グラム)までは脳梗塞については影響が出ないけれど、脳出血や大腸がんは1日1合に抑えないとリスクが増えるということを、このエビデンスは示しています。
女性の場合、1日1合を超えると脳梗塞も胃がんも大腸がんも肝がんも乳がんも増えます。データが取られていないものについても、増える可能性は否定できません。
お酒については、男性の場合は基本的に1日1合、週に換算して7合というのが、疫学的に推奨できるラインです。女性はその半分くらいと考えるといいでしょう。
ノンアルを交えるだけで減酒につながる
筑波大学の研究チームが、「ノンアルコール飲料を提供されると飲酒量が有意に減少する」という報告を行いました。
そこでは、アルコール依存症などの人を除いた20歳以上の研究参加者123人を2つの群に分け、一方にノンアルコール飲料を12週間提供しました。すると、12週間目の1日の純アルコール摂取量が、平均11.5グラム減っていることがわかりました。
さらに、ノンアルコール摂取量増加とアルコール摂取量の減少に相関が見られることから、ノンアルコール飲料がアルコール飲料に置き換えられていると考えられました。
たとえば、いつも缶ビールを2缶飲んでいる人が、1缶はそのままビールを、もう1缶はノンアルコールビールを飲むということが起きたのです。
ちなみに、私は週末にビールを飲みますが、1缶目は普通の缶ビールを、2缶目以降はノンアルコールビールにしています。1缶目で気持ちよくなっているので、2缶目以降はノンアルコールでも区別がつかない状態。きれいな黄金色でシュワーとしていれば、十分においしく感じられます。結果的に健康的な飲酒ができているのです。
この筑波大学の研究では、「提供された」というところがポイントとなります。お酒好きの人は「ノンアルコール飲料はまずい」とはなから決め込んでおり、これまで自分から買うことはほとんどなかったはずです。
しかし、最近のノンアルコール飲料はかなりおいしくなっており、提供されて飲んでみたら「これも悪くないかも」と感じることでしょう。
だから、家族などが「これ飲んでみて」とプレゼントするのがいいでしょう。そして、1杯目ではなく、ちょっとほろ酔い加減になってから飲んでもらうと、「へえ、案外いいね」となるかもしれません。
文/大平哲也 サムネイル/Shutterstock













