1年間で和歌山県が消滅したレベルの人口減少
外国人を含む総人口も55万人減の1億2380万2千人。14年連続のマイナスとなっている。この原因はもちろん出生率の低下だ。
女性1人が生涯に産むと予想される子どもの数を示す統計的な指標「合計特殊出生率」は、最新のデータがある2023年が1.20。こちらも統計を取り始めて以降、最低の数字だ。また2024年の出生数は外国人を含む数字で72万988人、日本人だけに限定すると70万人を切ると予想されている。
この出生率の低さが物語るように、15歳未満人口は1383万人で、前年に比べて34万3千人の減少で過去最低。一方で、65歳以上人口は3624万3千人で、前年に比べ1万7千人の増加となり、割合は0.2ポイント上昇の29.3%で過去最高。
うち75歳以上人口は2077万7千人で、前年に比べ70万人の増加となり、割合は0.7ポイント上昇の16.8%で、こちらも過去最高となっている。
人口減少に伴う“超少子高齢化社会”化で、SNSでは日本の未来を憂う声が続出している。
〈和歌山県の人口が2023年時点で89万人なので、1年で和歌山県から人がいなくなったと考えれば、すごいことが起こっていると身近に感じられる〉
〈俺がガチのおっさんになるまで、日本はあるんだろうか〉
〈日本の人口減少やばいな 政治家も特に手を打ってないし年寄りが政治家やってる国はだめだ〉
〈もう止めようのない、人口減少の波。それと比例して経済もどんどん縮小していく。日本滅亡へのカウントダウン〉
ほかの先進国と比べても日本だけがずば抜けて危険な状態なのだろうか。スペインのポンペウ・ファブラ大学、政治・社会科学学部の研究員で、少子化研究者の茂木良平氏に話を聞いた。
「国連の推計によると、2024年時点で人口減少期に移っている国は63カ国です。2024年から2095年までの間に人口数が最も減るのは中国であり、その次が日本と推計されています。
日本同様に低出生国なイタリアは2014年以降、人口が減少し続けており、その間の累積減少数はイタリア第二の都市であるミラノの人口と同じくらいの136万人強です。このように、人口減少は日本だけでなく多くの先進国で同様にみられる現象です」(茂木氏、以下同)