テレビ局の“聖域”が撤廃された?
つまり裏を返せば、テレビ局には“聖域”と呼ばれるほどに、どんなことがあっても打ち切り候補にあがらない番組があったということだろうか。
「広告収入が落ちたことはある意味、“聖域”になっていたお荷物番組を切ることができる理由にもなりました。視聴率低下とお金(製作費)のことを出されては反論のしようがありませんからね。さらに今回のフジテレビ騒動で、“コンプライアンス”という名の下でまた、多くの聖域番組が打ち切り対象にあがり始めると考えられています」
ラジオ番組ではあるが、TBSラジオの『生島ヒロシのおはよう定食』と『生島ヒロシのおはよう一直線』が生島のコンプラ違反によって終了したことは、まさにその典型例であった。
「長寿番組はその番組の中だけででき上がった謎のルールがあったり、そうした悪習が時代から大きく取り残されていることがあります。テレビ局の古い体質を変えるには、まずは長寿番組の解体こそ、最善の一手だとも思います」
2024年2月、元テレビ東京プロデューサーの佐久間宣行氏は自身のラジオ番組『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』で、長寿番組だけを長年担当しているテレビスタッフは、それが終わったときにほかの番組では使い物にならないことがあると指摘している。
「決まったことしかできないから、その番組の中のルールしか知らないから、だから潰しがきかなくなるんだよね」と語っていた。
「ただもちろん、長寿番組がすべて悪いわけじゃありません。例えば、『笑点』(日本テレビ系)、『徹子の部屋』(テレビ朝日系)などはいまだに大人気で、局を代表する番組になっています。番組が長く続く秘訣は結局、コンセプトを変えないこと。『開運!なんでも鑑定団』『出没!アド街ック天国』(ともにテレビ東京系)も、ブレずに番組の内容を一貫することで人気を保っています」(前出・テレビ局関係者)