糖質は生きるエネルギー源

糖質制限についてもあまりおすすめしません。その理由は、肝臓や赤血球のように「エネルギーとして糖質しか利用できないもの」が存在するから。糖質制限は一気に体重が減る一方で、リバウンドしやすい健康方法でもありますし、糖質制限食を続けると、心筋梗塞による死亡リスクが上がるという研究結果も報告されています。

女性はまず、自分の体に必要な栄養をこまめに取り入れる。そして何でも食べることができ、がっつり筋トレができてうつくしい筋肉がつくくらいになったらファスティングにチャレンジしてみる。この順序をぜひ覚えておいていただきたいなと思います。

女性が男性より甘いものが好きなのにはワケがある…安易な糖質制限が女性にとって危険である身体の仕組みとは?_5

現代人は栄養不足。女性のダイエットは食べたほうがうまくいく

「じゃあ、やせたい女性はどうすればいいの?」

そうですよね。体重を適切に管理して「きれいでありたい!」というのはすべての女性の願いだと思います。

私がおすすめしている体重管理方法の1つが「食べるダイエット」です。特に、40歳を過ぎたら絶対に食べるのがおすすめ。なぜなら代謝が落ちてくる分、食べたものを効率よく代謝させる必要があり、代謝をスムーズに回すために必要なのが栄養素だからです。

食を自分で選んで食べられる時代になった今、私たちは無意識のうちに手軽でおいしいものを選びがちです。そのため、現代人の多くは栄養不足(新型栄養失調)だと言われています。

また、健康意識が高いことで逆に栄養に偏りが出ているパターンも増えています。現代人は特に食物繊維を含めた炭水化物や、ビタミン、ミネラルの不足が目立ち、女性の場合は食物繊維、鉄、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ビタミンB群やビタミンDなどが不足しがちだと言われています。これらの栄養素は代謝と関係しているものが多く、さらには腸内環境や血糖コントロールにも影響を与えます。

不足すると代謝がうまく回らないだけでなく、血糖値が乱高下したり、腸内環境が乱れる原因にもなります。

血糖値や腸内環境は体重管理にも関わっているため、この状態を改善することが女性のダイエットには最適です。

女性が男性より甘いものが好きなのにはワケがある…安易な糖質制限が女性にとって危険である身体の仕組みとは?_6
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図/書籍『おいしく食べて、体ととのう まいにちの栄養学』より

おいしく食べて、体ととのう まいにちの栄養学
あこ
おいしく食べて、体ととのう まいにちの栄養学
2024/12/17
1,694円(税込)
256ページ
ISBN: 978-4816376498

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