「食べない」選択は不調を引き寄せる 女性の健康はまず食べることから

筋肉量や鉄必要量の差の影響もあり、男性と女性は「合う健康法」も異なります。その代表例はファスティングや糖質制限。この2つは、あえて自分に負荷をかける「攻めの健康法」です。

特にファスティングは、一定期間食事を摂らないことによりオートファジー(細胞の中にあるいらない物質を分解するしくみ)を促し、細胞を若返らせるというすばらしい健康法ではあるのですが、この健康法で効果を得られるのは、次のような条件などをクリアした方だけです。

①鉄不足がない
②筋肉がしっかりとある
③日頃から糖質・たんぱく質を適度に摂取している
④BMIが20以上ある
⑤空腹時に手の震えや冷や汗が見られない

この5つだけでも、日本人女性の多くはすべてクリアするのは難しい。

女性が男性より甘いものが好きなのにはワケがある…安易な糖質制限が女性にとって危険である身体の仕組みとは?_3

これらの条件をクリアしないままにファスティングをしても、うまく脂肪をエネルギーに変換することができず体は飢餓状態になってしまい、頭痛や吐き気に悩まされたり、ずっと食べ物のことを考えて、つい甘いものに手が出てしまったりします。

また、たんぱく質が不足すると消化酵素※が減少するため、ファスティングによりたんぱく質不足に拍車がかかった場合、食事を再開すると胃が重たい、胃痛がするといった体調不良も出てきます。

そのため、女性がファスティングをする際には十分な体作りが必要で、安易にやるべきではない健康法だと考えています。

※栄養素の分解を促す触媒のような役割を持つ酵素。おもにたんぱく質で構成されるため、たんぱく質が不足すると酵素がきちんと作られず、消化不良を起こします。

女性が男性より甘いものが好きなのにはワケがある…安易な糖質制限が女性にとって危険である身体の仕組みとは?_4