ストップ・ザ・青山学院となるダークホース
「来季は早稲田がおもしろいと思います。2022年に就任した花田勝彦監督の地道な指導が実を結び、今年は3位と秒差の総合4位で古豪復活を予感させました。往路を走った全員が1~3年生で来年も残りますし、山区間には5区に“山の名探偵”こと工藤慎作、6区も区間5位で走った山﨑一吹がいます。
また昨年、早稲田では【箱根の頂点へ。そして世界へ。早稲田大学競争部 駅伝強化プロジェクト】というクラウドファンディングをした結果、1か月半で2000万円を超える寄付金が集まりました。今年も実施するかはまだ未定ですが、他校のように早稲田のスポーツ推薦には学費免除がありません。何かと強化費のかかる大学駅伝にとってこうした取り組みも強化につながっている部分はあると思います」(前同)
さらに、来季の早稲田の新入生スカウトが、10年に1度の豊作だといわれている。
昨年末に開催された第75回高校駅伝(全国高等学校駅伝競走大会)では、各校のエースが集う1区で日本人歴代最高記録の快走をみせた千葉・八千代松陰の鈴木琉胤(るい)や3区区間賞で優勝に貢献した長野・佐久長聖の佐々木哲が入学予定。
1月19日に開催される第30回都道府県駅伝(全国都道府県対抗男子駅伝競走大会)に出走予定の兵庫・須磨学園の堀野正太、東京・早稲田実業の山田晃央も入学予定で、他の強豪校よりスポーツ推薦枠の少ない早稲田にとって例年以上の好スカウトとなっている。
「復路では青学より速かった駒澤も、来年は今年以上のチームを作ってくると思います。7区でとんでもない区間新記録をたたき出した世代トップランナーの佐藤圭汰が最終学年となり、山区間を走った二人も残るので、青学3連覇阻止の筆頭になるでしょう」(前同)
すでに来年の箱根に向けて各大学とも新体制で練習をスタートしている。箱根に向けての戦いはもう始まっているのだ。その最初の前哨戦となる都道府県駅伝は1月19日に号砲が鳴る。
取材・文/集英社オンライン編集部