いまの子どもたちに笑ってもらえるのが嬉しい

鳥居みゆきの本領は、単独公演のひとりコントに代表される、“鳥居ワールド”とも言えるオリジナルな世界観。生と死をテーマに、自身の内面をどこまでも探求するような作風で根強いファンを持つわけだが、それはコントという形だけでなく、演劇の脚本や小説、絵本といった、様々なメディアで表現されてきた。

そんな彼女が、現在探求しているもの、それが他人とのコミュニケーションである。

「これまでは周りから拒絶されるし、じゃあひとりで楽しもうと思ってやってきたんですけど、ようやく自分の探究心が他人に向かうようになって、会話を楽しめるようになりました」

コミュニケーションに積極的になったのは、仕事の現場だけではない。13年連れ添ったのちに別れを選んだ元夫とは、離婚モードになった瞬間から予期しない前向きな変化が生じた。

「結婚していたときは、ふたりで住んでいるけどそれぞれが自分のテリトリーで、独立した生活をしていました。私も彼も、人として変われなかったんです。“これじゃ友だちと一緒だし、さらに仲が悪くなるくらいなら別れよう”と離婚の方向に進みました。

でも、それから落ち着いて話してみると、その時間が楽しいことに気づいたんです。楽し過ぎて、離婚届を出すのにも3回くらい失敗しました。役所に行く途中で見つけた物産展で買い物している間に届を出し忘れるとか(笑)。今も仲が良くて、離婚記念日には毎年、一緒にご飯を食べに行きます。だから、結婚していた時期だけが仲が悪かった」

再評価される芸人・鳥居みゆき「変わったのは世間の目、私は何も変わっていない」児童発達支援士の資格を取得し、番組では子どもたちをサポート_4

芸人としての思想も、やっていることも変わっていないと断言する鳥居。

だが、彼女が人生経験を積み、他人とのコミュニケーションに前向きになったこと、そしてそれが時代の変化と重なって周囲から受け入れられはじめたことは、孤高の芸人であり続けた彼女の「受け皿」が、自然と広がった現状に繋がっている。

「こないだ営業で“ヒットエンドラン”のネタをやったんです。そうしたら、私のことを知らないだろう子どもたちが笑ってくれてました。それが嬉しかったですね。今年ですか? 何も変わらないと思いますけど、干支にちなんで“猪突猛進”で頑張ります!」

取材・文/森樹
写真/松木宏祐

『笑いの総合格闘技!千原ジュニアの座王 新春SP』(カンテレ・フジテレビ系 全国ネット放送)
1月2日(木)午後10:00~11:30
≪MC≫千原ジュニア
≪アシスタント≫竹上萌奈(カンテレアナウンサー)
≪審査委員長≫バカリズム
≪プレイヤー≫
【Aグループ】
野性爆弾 くっきー!、錦鯉(長谷川・渡辺)、笑い飯 西田、モグライダー 芝、サルゴリラ 児玉、水田信二、アインシュタイン 稲田、ロングコートダディ 堂前、真空ジェシカ ガク、EXIT 兼近、ぱーてぃーちゃん 信子
【Bグループ】
ずん 飯尾、ふかわりょう、鳥居みゆき、しずる KAƵMA、R藤本、すゑひろがりず(南條・三島)、ルシファー吉岡、3時のヒロイン 福田、コロコロチキチキペッパーズ ナダル、ママタルト 檜原、カベポスター 永見

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座王は毎週金曜深夜0時55分に放送(関西ローカル)、TVer、カンテレドーガで無料見逃し配信中
3月11日には武道館でリアルイベントも開催予定