お金は、シンプルに管理して、おおらかに使う
ちなみに、父は最近癌にかかったが、健康保険に加入していれば、民間のがん保険は不要だと改めて確認した。治療に掛かった費用は健康保険を利用すると普通の貯金で十分に賄える金額だった。つまり、保険を使う必要はなかったということだ。
「事後的には」がん保険に入っていれば入院費や交通費などが保険から出て、その方が得だった可能性はあるが、癌になるかどうかが分からない意思決定段階の「事前の問題としては」、がん保険は加入者側が損で保険会社側が儲かる賭けなのだから(確率は保険会社が考えて計算してくれている)、がん保険には入らないことが正解なのだ。
この「事前」と「事後」の区別が分からない人は、おそらく保険以外にも多くの分野で「カモ」になり続けるにちがいない。
収入や支出をどの程度管理するかは個人の趣味の問題でもあるが、将来に向けて毎月必要だと思う貯蓄(実際にはインデックスファンドへの投資だ)ができていれば、細かな収支は気にしない方針をお勧めする。
稼いだお金はおおらかに使うといい。特に自分への投資を渋ると将来の自分が貧相になってしまう。自己投資の中身は、①知識、②スキル、③経験、④人間関係、⑤時間、だ。
そして、人生の途中でお金が足りないと思ったなら、節約よりも先に「もっと稼ぐ方法はないか」と考えるようであってほしい。
君の人生はその方が圧倒的に面白くなるはずだ。
図/書籍『経済評論家の父から息子への手紙』より
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